寿貿易株式会社 株式会社メカニクス
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札幌工場 作業日誌

メカニクス札幌工場では、お客様からご注文いただいた機械やその付属品を厳重に検査・調整のうえ、お届けしています。このコーナーでは、日頃の作業で感じたこと、出荷前検査で発生した問題やエピソードなどを都度ご紹介したいと思います。

<2008年を振り返って・・・まだまだ努力が足りない> 2008.12.26

2008年も残すところ、あと数日。今年は世の中がひっくり返るほどの経済変動が世界を襲い、大変な年の瀬になってしまいました。弊社にもその影響はひしひしと押し寄せてきていますが、毎日、地道に仕事に取り組んでいます。
この1年間を振り返ると、様々な場面がよみがえります。お客様は弊社が出荷した製品やサービスの品質に満足して頂いているだろうか、お客様の問い合わせや要求に迅速に対応できただろうか、お客様への応対や受け答えに不手際や失礼はなかっただろうか・・・・思い出すと、あの時、こうすればよかった、ああすればよかった・・と反省することしきりです。海外から輸入した機械の手直しをしていて痛感するのは、手直しすることによって品質は格段に向上するものの、完璧に仕上げるのは至難の業だということです。その最大の理由は、海外製品の品質には依然様々な問題があるからです。特に、限られたコストの中で完璧さを求めるのは大変で、常に悩み苦しんでいます。弊社としては、当然100点満点を目指して努力しておりますが、自己評価は80点程度ではないかと思います。まだまだ努力が足りません。
厳しい経済情勢の下、来年もコツコツと努力を積み重ね、顧客満足度で90点以上取れるように全社一丸となって頑張りたいと思っています。

アリ溝へのキサゲかけ作業
札幌工場もすっかり雪化粧

<札幌工作機械は有名企業?> 2008.11.17

先般、東京ビッグサイトで開催された第24回日本国際工作機械見本市(JIMTOF)も無事に閉幕となりました。弊社もささやかなブースながら、本見本市に出展いたしました。弊社がJIMTOFに初めて出展したのは昭和40年代です。その間、出展を辞退した時もありましたが、ここ10年以上は毎回欠かさず出展しています。今回は例年とは若干趣向を変えて、弊社が取り扱っている機種の中では、最大級のモデルを中心に展示いたしました。周りのブースで、最新鋭のマシンニングセンターや、超大型工作機械などが出展され、多くのお客様で賑わっているのに比べ、我がブースはこじんまりして、ちょっと淋しい(笑)雰囲気でしたが、関心を持って、立ち寄って下さった多くのお客様は皆、真剣に弊社の機械をご覧になり、色々な手応えを感じました。
ところで、会期中のある日の午後、少し離れたところから、ひとりの年配の男性が私たちのブースをじっとご覧になっておられるのに気づきました。その方は、弊社の展示機よりも、弊社の社名板の方ばかりを気にしておられました。社名板には「株式会社メカニクス 旧社名 札幌工作機械製作所」と書かれています。社名板から目を離すと、私たちの方に近づき、こう仰いました。「札幌工作さんですか? いや懐かしい。昔は工作機械業界で、札幌工作さんの名前を知らない人なんていなかったよ。よいセーパーを作っておられましたなあ」「最近は小さな旋盤やフライス盤を作っているのですか? 札幌工作さんのものなら間違いないよね」と。私たちは、突然、見ず知らずの方からこのような言葉をいただき、とてもうれしくなりました。浮き沈みの激しい工作機械業界にあって、とにかくよいものを作ろうという気持ちだけで、今日まで頑張ってきた努力が報われる思いでした。これからも、「品質へのこだわり」という古き良き伝統を守っていかなくてはならないとの思いを強くした1日でした。
弊社ブースにお立ち寄り頂いた皆様には、この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。

アリ溝へのキサゲかけ作業

<申し訳ございません、この機種では無理です> 2008.10.07

「貴社で扱っている卓上旋盤を使って、部品加工がしたいと思っています。単純な作業で高い精度は要求しません。一日の加工数量は4000-5000個程度なのですが・・・」
「おたくのミニ旋盤は精度調整しているそうだけど、汎用旋盤と同レベルの精度が出ていると考えてよいですか?」
「2mmの丸棒の真ん中に0.5mmの穴を開けたいのですが・・・」
「加工精度4μ以内に収まりますか?」

私たちも機械を売るのが商売ですから、ひとりでも多くのお客様に機械をお売りしたいのが本音です。でも、上記のようなご質問に対しては、勇気を振り絞って「残念ながら、当社の機械では無理です。申し訳ございません。」とお答えせざるを得ません。それでも、このような問い合わせを受けたり、質問を投げかけられたりするのは、とても光栄なことだと思っています。それだけ、弊社が期待されているわけですから・・・
弊社がお届けする旋盤やフライス盤は、中国や台湾からの輸入品といえども、札幌工場でひとつひとつ丁寧に仕上げて出荷しています。従って、他の類似製品に比べ、品質的に優れ、コストパフォーマンスが高いという自負はあります。また、長年の工作機械製造と豊富なアフターサービス経験を活かして、お客様からの様々な要求に応えて参りましたし、今後も続けていきます。しかしながら、やはり限界もあります。弊社で取り扱っている機械は生産用としてではなく、研究室における試作、工場における生産補助、学校での実習、或いはホビーなどでの使用を前提に開発されたものです。そしてそれらを、できるだけお求めやすい価格でご提供することを目標としております。 従いまして機能も精度もその目的の範囲内にとどめられています。
冒頭のご質問で要求される構造や精度を実現しようとすると、ご提供価格も0がひとつか二つ多くなってしまうでしょう。このような内容の相談を受けていると、出来るだけ安いコストで高精度加工や大量加工をしなければ競争に勝てないという、お客様の切実な気持ちが、ひしひしと伝わってきます。それなのに、こうしたお客様のご要望になかなかお応えできないことに、私たちももどかしさを感じます。
<他社機の修理依頼> 2008.09.01

私たちの工場には修理のために様々な機械が持ち込まれます。通常は、まず営業サイドで依頼を受け付け、機種名、機番、購入時期、症状など、修理に必要となる情報をヒアリングにより集め、これを社内データや部品在庫と照合するなどのプロセスを経て、修理の可否や費用等を判断します。しかし、電話などによる聞き取りだけで状況が把握できることは稀で、実際に現品を見てみないと判断しかねるケースが殆どです。こんなこともあって、修理の可否を判定するために、お客様より機械をお預かりすることがしばしばあります。
このような仕事に日常的に携わっていると、時々お客様より、他社が販売した類似機械の修理の相談を受けることがあります。弊社に相談にくる主な理由は、「販売した業者がなくなった」「販売業者より修理を断られた」「販売業者がスペア部品を売ってくれなかった」などですが、中には同業他社から「ウチはもうこのビジネスから撤退したから修理できないが、コトブキさんなら出来るかもしれないから聞いてみたら」といわれたお客様もいました。同業他社さんから、こんなことを言われていると知らされて、実はかなり複雑な心境です。というのは、外観が似ていても、弊社の機械と他社の類似機では異なる点がいくつもあるからです。
札幌工場でのチェック・手直し作業において、部品自体を交換したり、機種によっては一部の機構の変更作業も実施したりしていますので、部品ひとつとっても同じでない場合があります。いつか、他社機のユーザ様から、モータが壊れたので弊社の類似機械のモータを販売して欲しいという依頼がありました。しかし、ご指名の機種はモータ並びにその取り付け部分に特別な改造を加えている機種だったため、「モータだけ販売しても、お使いの他社機に取り付けできる保証はありません」といって丁重にお断りしました。
こうした実情に加えて、何よりも重要なのは、弊社がストックしている修理用の部品は、飽くまでも弊社の機械をご愛顧下さっているお客様のために、それなりのコストをかけて在庫しているものだということです。在庫部品の中には30年以上弊社倉庫で保管されている希少品もあります。修理できなくて困っておられる他社機のユーザ様には、大変申し訳ない言い方になってしまいますが、やはり修理については、弊社のユーザ様を優先せざるを得ません。従って、部品が十分にあり、なお且つ、弊社機と互換性があると判断できる場合を除いては、他社様の機械を修理したり、部品供給したりすることは困難です。悪しからずご了承下さい。

アリ溝へのキサゲかけ作業
30年以上保管されているスペアパーツ類

<アクセサリー類の整備・調整作業 - 万力> 2008.08.05

万力はフライス盤作業において欠かせないアクセサリーです。弊社でも、万力類を用途に合わせて常時3-4種類取り揃えております。市場に出回っている万力は、安物から高級品までピンキリで、高級品になると価格が数十万円になるものがザラにあります。ご参考までに、札幌工場では1960年代に小型形削盤(セーパー)用の万力を自製していましたが、当時の万力1台の販売価格は約20万円でした。この万力は、念入りにキサゲ加工が施され、精度的に申し分のないものでした。たかが万力といえども、きちんと手をかけた高品質品はそれにふさわしい価格になってしまうのです。しかし、フライス盤本体の価格が数十万なのに、万力も同程度の価格では、お客様に納得して頂くことは極めて困難です。そこで、常に比較的安価で、品質の高い万力を探し求めているのですが、そんな万力は皆無です。実際、弊社で扱っている万力も、札幌工場で相当手直しをしています。手直しをすることにより、品質が相当向上しているという自信はありますが、もともとの構造上の問題から、どう修正しても直しようがない部分があるのも事実です。このような事情で、いままでの海外製万力に見切りをつけて、コストアップを承知で国内メーカに特注した万力もあります。万力の品質向上は弊社の重要課題のひとつで、まだまだ改善の余地があります。それでも、手をかけている分、他の類似品に比べて品質が高いと自負しています。

アリ溝へのキサゲかけ作業

<まさにハーフナット!? ねじが下半分しかない奇妙な旋盤> 2008.07.26

海外製の機械を取り扱っているという仕事柄、札幌工場では、日常的に海外メーカよりサンプル機を取り寄せ、品質チェック(弊社では品評会と呼んでいます)を実施しています。ここでは、もともとの品質を確認すると同時に、弊社工場での手直しの可否、工数等を見極め、品揃えに加えるか否かを判断するのです。機種によっては、結論が出るまでに数ヶ月もかかる場合もあります。もとの品質がいまひとつでも、弊社である程度の手を加えることにより、コストパフォーマンスの高い機械に生まれ変わる可能性があれば採用、即ち、商品化にゴーサインが出ます。その一方で、品質的にも構造的にも全くお話にならず、手直しには、多大なコストと労力が予想されるため没になる機械も少なからず存在します。こうした機械は、安売りすることも出来ず(仮にタダで差し上げても、受け取ったお客様が困るだけ)、泣く泣く廃棄処分にせざるを得ません。
最近の事例で印象に残っているのは、見栄えもよく、品質もそれなりなのに、ある一点の構造に難があり、販売を断念した旋盤です。この旋盤は、切粉を除ける目的で親ねじ部分がカバーで覆われているのですが、カバーを取り付けるスペースを確保するために、本来、上下から包み込むようにして、きっちりと親ねじと噛み合わさるべきハーフナットが下半分にしかなかったのです。要するに下側のハーフナットだけで親ねじを押し上げ、自動送りさせる仕掛けなのです。そのままだと親ねじが浮き上がるため、上部に浮き上がり防止ガイドが装備されていました。このような構造ですと、ハーフナットが親ねじから外れやすいなどの致命的な問題があります。また、親ねじが常にガイドに押し付けられる形となり、親ねじの過度の磨耗が懸念されます。いままで色々な旋盤を見てきましたが、このような構造の機械は初めてで、正直言って戸惑いました。恐らくこの旋盤は、長く使っているうちに様々な問題が発生する可能性が高いと考え、商品化を諦めました。このサンプルも品評会の過程でばらばらに分解してしまったため、残念ながらスクラップにするしかなさそうです。

アリ溝へのキサゲかけ作業

<質問「何故、海外メーカを指導して品質を向上させないのですか?」> 2008.06.28

私たちが札幌の工場で、輸入した機械のチェックや手直しをしているというと、しばしば聞かれるのが冒頭の質問です。至極もっともな質問で、コストの高い日本国内でいちいち手直しをするよりも、現地メーカを指導して品質を上げられるのなら、それに越したことはありません。結論からいえば、弊社でもいろいろな形で輸入品の品質を向上させる努力はしていますが、限界があるということです。
具体的な活動としては、クレームやトラブル情報のフィードバックを通じて改善を促すことから、現地工場に乗り込んでの実地指導まで様々です。そうした活動に対する海外メーカの反応は様々です。弊社の品質に対する要求や提案に、比較的よく耳を傾けてくれるメーカもあれば、殆ど無視するメーカもあります。殆ど無視するメーカというのは、大きく2種類あるようです。ひとつは、非常にプライドが高く、品質に自信を持っているメーカです。このようなメーカは相当明確な「証拠」を突きつけないと、なかなか否を認めません。二つ目はあまり品質向上に関心がないメーカ。このようなメーカとの取引は自ずと縮小していかざるを得ませんが、残念ながらやる気のないメーカが少なからず存在します。問題は比較的耳を傾けてくれるメーカです。弊社の意見や要望に真摯に対応してくれるのですが、実際にその後改善に結びついたかといえば、かならずしもそうではありません。以前、海外に発注した卓上旋盤の検品作業に、弊社から担当者を派遣したことがありました。現地工場にズラリと並んだ卓上旋盤を、一台一台チェックしたのですが、予想した通り精度をはじめ品質に相当なばらつきがありました。このため、現地メーカの担当者に、どこをどう直したらよいか、細かく指導しました。チェックが終わり弊社から派遣した担当者は帰国、現地工場では、指摘事項を再調整した上で日本向けに出荷されました。ところが、日本に到着した機械を調べてみると、指摘された不具合部分が殆ど直っていなかったのです。このような事例を、弊社は度々経験しています。
一体なにが問題なのでしょうか。考えるにいくつか理由がありそうです。
(1)弊社との窓口となる担当者に改善意欲があっても、品質方針が末端の作業担当者にまで浸透していない。
(2)仮に末端まで浸透しても、その作業担当者自体が退職すると、他の作業者に引き継がれない。
(3)文化の違いから、海外メーカの品質に対する感覚と、日本人の品質に対する感覚との間には埋めようのないギャップがある。
似たような話は、海外ビジネスの問題点を取り上げた記事や書物のなかでも、しばしば見かけます。
輸入品の品質を向上させるために、現地メーカと協力していくことは重要であり、弊社もその努力は惜しみませんが、やはり一定の品質を保つ上で、弊社工場でのチェック・手直し作業は絶対に必要だと思っています。

アリ溝へのキサゲかけ作業
メカニクス札幌工場

<手直しできない不良品に当たることもある-例えば主軸に欠陥> 2008.05.24

いままでは、主に輸入した機械の整備・調整について様々な角度からご説明して参りました。でも、最近目に付くのは、手直しが不可能な機械が増加していることです。 例えば主軸・・・・主軸(スピンドル)は旋盤やフライス盤にとって正に心臓部ともいえる重要部分ですが、最近おそまつな主軸に当たることが多くなりました。例えば、どう修正しても規定の精度に収まらないものです。中には、主軸の振れが0.3mm(コンマ3ミリ!)以上というひどいものもあります。主軸のテーパ穴が規定より大きすぎて、保持具を正しく装着できないものもあります。原因は様々ですが、簡単にいえば加工不良です。このような場合は、修正ではなく、正しく加工された主軸に交換するしかありません。
主軸台自体の鋳物加工が悪くて、精度が出ないだけでなく、キサゲ加工が不可能という事例もあります。主軸台自体が割れていた事例や致命的なキズが見つかった事例もあります。対処方法としては、主軸台自体を交換して、最初から精度調整をやり直すか、最悪の場合は、廃棄処分にしますが、このような事例は過去1回や2回ではありません。
安売りの機械や、個人輸入の機械をお客様ご自身が手直しをしてお使いになるというのもひとつの選択肢ではありますが、主軸や主軸台に致命的な欠陥があったら、対処のしようがありません。こんなこともあって、弊社では、比較的低価格でご提供するMSタイプといえども、重要部分のチェックや手直しをしているのです。
それにしても、海外から輸入される機械の品質がもう少しよくならないものかと、いつもながら思っています。輸入した機械を丁寧に直して、レベルアップを図っていく作業は、やりがいがありますが、それでも、主軸交換が必要な機械に当たると、どっと疲れが出てくるようです。

アリ溝へのキサゲかけ作業

<滑らかな送り-輸入旋盤の“偽装”との闘い> 2008.04.04

海外から輸入される旋盤の中には、送りねじを支持するブラケットの固定ボルトやジブ調整ねじが最初から緩んでいるものが多数あります。レンチで軽く回すことができるくらい緩いものもあり、開梱してみるとボルトが欠落して底板の上に転がっていたなどというケースも度々あります。実はこれらは「緩んだ」のではなく最初から「緩めて」取り付けてあるのです。ねじを緩めないと、送りが滑らかにならないからです。逆からいうと、これらのねじをきちんと締めこんでしまうと、固くなって動かないのです。
弊社での出荷前検査では、各部の送りの調整作業は精度調整と並んで、重要な工程となっていますが、我々が一番苦労するのは、ある程度きちんと締め込んでも、各部の送りが適度な滑らかさを保つように調整することなのです。それを実現するために、時にはキサゲ作業も必要となります。海外製の旋盤は、このような手間のかかる作業をする代わりに、固定ボルト類を緩めに取り付けて、一見送りが滑らかになるように誤魔化しているのです。最近の流行り言葉でいえば、送りの滑らかさを“偽装”しているのです。
これらの誤魔化しは、言われなければなかなか気づかれない上、一応それなりに切削することが可能であるため、導入当初には問題が顕在化しにくいようです。でも、ある程度使っているうちに、全体がガタガタになり、あわてて緩んでいるところを締め込めば、送りが極端に固くなったり、動かなくなったりします。過去に、弊社が行なった実験でも、同様な結果となりました。
このような部分の調整は、見た目に違いがないため、見過ごされがちですが、他社の類似輸入機にはない弊社の旋盤の強みのひとつです。

アリ溝へのキサゲかけ作業

<将来起こりうるトラブルへの備え-Aタイプの知られざる作業項目> 2008.03.06

Aタイプでは、精度や各部の動きの調整のほかに、将来トラブルが発生する可能性が高いと思われる部分を予防的に調整・改修しています。これらの部分は、機械を使い始めて日が浅いとなかなか顕在化しないのですが、月日が経ち、様々な加工作業に使われるうちに、不具合を起こしたり、お客様にご不便をおかけしたりする恐れがある箇所を指します。また、特定の作業を行わない限り、発生しないトラブルもあります。このような箇所は機種により様々です。
具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。( )内は代表的な対応例。

(1)磨耗したベルトの交換が困難(交換しやすいように当該部分を調整)
使い方にもよりますが、ある程度使用して、ベルトの交換時期が到来するまで、このような不具合は顕在化しません。

(2)フライス盤のヘッドやコラムに取り付けてあるピンが抜けず、角度付きのワークの加工作業が出来ない。(ピンが抜きやすいように調整)
角度付きのワークの加工作業を行わない限り、問題は発生しません。

(3)メネジが磨耗しやすい(部品交換にて対応)

(4)レバーの材質が悪く、破損しやすい(部品交換にて対応)

(5)心押台のスリーブを何らかの理由で抜いてしまうと、元に戻すのが困難(構造の一部を変更)

弊社が実施する予防的処置は、これらの他に、外れやすい部品の溶接による改修や一部の電装品の交換など多岐にわたっています。もちろん、多大なコストがかかるとか、その機種特有の構造的な問題から、必ずしも効果的な改修ができない部分もあります。このような場合は、起こりうるトラブルを想定して、予め修理方法を確立すると同時に、必要部品を在庫するなどの対策を立てています。こうした対策も、必要に応じて都度見直しをはかっています。
こうした改修項目は、ユーザー様の多くにとって、言われなければ気づかないような目立たない存在ですが、弊社にとっては極めて重要な作業になっています。

アリ溝へのキサゲかけ作業

<アクセサリー類の整備・調整作業-インデクスロータリーテーブル> 2008.02.06

弊社では中型と大型の2種類のインデクスロータリーテーブルを取り扱っています。これらも海外の製品なのですが、全体の品質、操作性、割り出し方式などを、他の海外メーカーの類似品と比較検討した上で、これら2種類を最終的に弊社の品揃えに加えました。弊社では、ロータリー(円)テーブルにチャックアダプターが装着できるように、独自の改造を加えています。ロータリ―テーブルを改造するためには、テーブル部分を機械加工するため、インデクス本体より取り外す必要があります。必然的に分解作業が発生するため、同時に各部の調整作業も実施します。元々の品質は比較的良好なのですが、やはり全体の動きにやや難があるものが多く、このような分解調整により品質の向上に努めています。また、塗装も雑な部分があり、細かい塗装の修正も欠かせません。機械本体並みの手間をかけてお届けする中型・大型インデクスロータリーテーブルは弊社自慢の逸品です。


<意外に知られていない重要な作業-防錆剤(油)落し> 2008.01.25

鉄の塊である工作機械が運送途上や保管期間中に錆びることを防ぐために、旋盤のベッドやフライス盤のテーブル表面など塗装や表面処理がなされていない部分には、出荷前に防錆剤(油)が塗布されます。輸入される各機種も、海外の各工場で入念に防錆剤が塗布されていますので、札幌工場に到着した機械が錆びていたという例はあまりありません。それはそれで結構なことなのですが、あまりにも入念(見方を変えれば過剰)に塗布されていますので、整備・調整作業前の防錆剤除去作業は誠に骨の折れる作業となります。油が固まって、各所にこびりついていることもあり、機種によっては除去に1時間くらいかかるケースが見受けられます。出荷前検査終了後に再び防錆処置が必要になるため、整備・調整作業前に、出来ればあまり多くの防錆剤を落としたくはないというのが本音です。それなのに、作業前にわざわざ防錆剤を除去する理由はなんだと思われますか? 実は防錆剤をきちんと除去しておかないと、精度や各部の送りの調整作業に支障をきたすからなのです。防錆剤が付着していると、各送り部分のチェックが出来ませんし、アリ溝部分へのキサゲかけ作業も出来ません。正しい精度の測定も出来なければ、精度の調整も不可能になります。このような理由で、毎日ある程度の時間をかけて海外から入荷した機械に塗布されている防錆剤の除去作業を地道に行っています。防錆剤の除去作業は、整備・調整作業前の準備にしか過ぎないのに、意外と時間がかかるので悩みの種です。

出荷前検査での防錆剤(油)除去作業風景
機械が錆びているわけではありません。機械表面に塗布されている茶色っぽい油が錆びているように見えるだけです。

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