寿貿易株式会社 株式会社メカニクス
ショッピングカートを見る
NOW >> TOPPAGE >> 札幌工場 作業日誌 >> 2013年
スペース トップページ スペース
取り扱い全機種一覧
研究開発に最適な機種
製造現場でも重宝する機種
ネットショップ
CNC
資料集
ご入金口座
TOPICS
一口メモ
札幌工場 作業日誌
会社概要
ユーザー様ご紹介
紹介記事
よろず相談コーナー
お問い合わせ
ISO9001認証取得
環境貢献活動
Facebook
特別価格適用中
特別キャンペーン
    対象機種(2018.08現在)
    M18A-EX 小型フライス盤
    L270V 精密高速旋盤
アウトレット商品

商品カタログ
旋盤
フライス盤・ラジアルボール盤
万能工作機械
小型帯鋸盤
ミニハンドプレス
折曲機・切断機

ネットショップ
 
旋盤
  ミニ卓上旋盤 FL200E Aタイプ
ミニ卓上旋盤 FL350E Aタイプ
ミニ卓上旋盤 FL350E(Super)
 Aタイプ
小型精密旋盤 FL410V Aタイプ
NEW
小型精密旋盤 FL400E-JK Aタイプ
小型精密旋盤 FL551E-JK Aタイプ
NEW
小型精密旋盤 FL551V-INV
   MSタイプ
 
フライス盤
  ミニ卓上フライス盤 FM80E
  (大型ベースタイプ)Aタイプ
  ミニ卓上フライス盤 FM110E
   Aタイプ
  FM120E(Light)小型フライス盤
 Aタイプ NEW
  FM120E(Super)小型フライス盤
   Aタイプ
フライス作業用切削工具
フライス作業用切削工具
アウトレット商品
アウトレット商品 NEW
ユニークなツール
小型帯鋸盤(14型バンドソー)
ミニハンドプレス
レンズ付ランプ
油圧式手動折曲機
手動切断機HS型
英国製 標準ブローチ(角穴・丸穴用)

カードOK

やくみつる
札幌工場 作業日誌

メカニクス札幌工場では、お客様からご注文いただいた機械やその付属品を厳重に検査・調整のうえ、お届けしています。このコーナーでは、日頃の作業で感じたこと、出荷前検査で発生した問題やエピソードなどを都度ご紹介したいと思います。

<高かろう悪かろう-この一年の終わりに> 2013.12.27

中国経済の発展に伴い格差が拡大し、人民の不満が増大しているという新聞記事を、最近よく目にするようになりました。中国政府は、その対策として、企業に対して賃金を毎年10-15%ずつ上げることを、半ば強要しているようです。国が主導して企業の賃金を無理やり上げさせるなどというのは、市場メカニズムとは相容れないと思われますが、やはり国情が異なるので、私たちが文句を言っても仕方がありません。ただ、このような中国当局の政策の影響で、私たちが扱っている中国製商材も恒常的に値上がりしているのは確かです。この1年だけをみても、仕入れるたびに数%、モノによっては一挙に20-30%近く値上がりしました。おまけに、今年は円安になったため、その分のコストも嵩み、まさにダブルパンチでした。価格が上がっても、品質レベルが同時に上がればまだ許せるのですが、相変わらず不適合品が多く、価格と反比例して品質が悪化してきているというのが実感です。これは私たちの業界に限った話なのでしょうか・・・。いずれにしましても、札幌工場ではこの1年間、中国製機械や工具の品質に、本当に振り回されました。手直しをしなければならない部分も増える一方です。発生した不適合品の内容を子細にみると、以前とは比べ物にならないくらい深刻な事例が増加しているのに気づきます。 発生した個々の内容については、また別の機会に譲りたいと思いますが、このままでは、中国製機械が「高かろう悪かろう」になってしまうのではないかと危惧しています。これで本当によいのかと自問自答する毎日です。

さて、来年はどんな年になるでしょうか。課題や懸念材料は山ほどありますが、引き続き頑張りたいと思います。
今年一年間有難うございました。
<ベルトの話> 2013.11.28

海外から輸入される機械に装着されている駆動用ベルトは、あまり品質が良いとは言えません。チェックしてみますと、少し切れかかっているベルトなどが見つかることがしばしばあります。 かつては、海外製の機械といえども、ベルトについては日本製が使われることが多かったのですが、最近の輸入機には現地メーカーのベルトが使われています。多くのベルトは規格品で、国内での調達が可能です。取り付けられているベルトのコンディションが悪い場合は、国内で調達した品質のよいベルトに交換しています。

先日、あるお客様からベルトの品質のことでお叱りを受けました。ベルトの一部が欠けている上、幅が均一ではないとのクレームでした。問題のベルトを送り返して頂き、調べてみると、確かにご指摘の通りの状態でした。ベルトの端が少し欠けている部分があるベルトを見落としたのは完全に私たちのミスでしたので、丁重にお詫びをした上で、新しいベルトを無償でお出し致しました。
念のため、在庫として工場に保管している同型の機械に取り付けてあるベルトやスペアのベルトをチェックしてみたところ、程度の差はあれ、幅が不均一だったり、キズがついたりしているベルトが見つかりました。実はこのベルトは、日本にはない海外独自の規格に基づいて作られているようで、形状が一般の規格品と異なっています。したがって国内では調達できません。日本を代表する有名ベルトメーカーに現物を持ち込んで、同じ規格で、より品質のよいベルトが作れないかと相談を持ちかけたことがありますが、あまりにも高額だったので話がまとまりませんでした。実際にやろうとすれば、新たに金型を作り、最低ロットが何千本という単位になるとのことで、とても受けられる話ではなかったのです。

国産品への代替が無理となれば、嫌でも海外から、品質に問題がある特殊規格のベルトを調達しなければなりません。輸入したこれらのベルトは、よくよくチェックした上でなければお客様にお出しできません。国内で調達可能で、最も形状が近いベルトを代用することも検討しましたが、件のベルトメーカーの回答は「代用不可」でした。国産のベルトであれば、このような心配をする必要がないのに、海外メーカーが特殊なベルトを採用したために、私たちのチェック作業がまたひとつ増えました。

diary_20131128_1.jpg

<インチキ検査にインチキ検査表> 2013.10.25

最近、海外から輸入した小型フライス盤に大規模な不適合が見つかりました。入荷した機械の4割の主軸(スピンドル)が不良という惨憺たる状況であり、一瞬、頭の中が真っ白になってしまいました。今回の不良は、いわゆる“調整”で直せるレベルではなく、主軸を交換しない限り解決不可能なほど深刻なものでした。何しろ、主軸の振れが0.2mmとか0.5mmなどという信じられない数値なのです。一般的な基準としては、主軸の振れは、甘くみても0.02mm以内です。まさに桁違いの悪さということです。気を取り直して、このフライス盤のメーカーに苦情を出し、正しい主軸の供給を要求したところ、驚くべき回答が返ってきました。曰く、「主軸の精度が悪いなんて考えられない。原因は、お前(札幌工場)の測定方法が、我々のやり方と違っているせいだろう。我々の工場では、我々のやり方で主軸の検査を3回も実施し、合格品のみを出荷している。」とのこと。ご丁寧に、その工場での精度検査シーンを撮影した写真まで添付されてきました。その検査方法というのは、極めて奇妙なもので、主軸にドリルチャックアーバーのようなものを取り付けて、その先端を測っているのです。私たちが行っているJIS規格に基づく検査方法とはかけ離れたものでした。こんな方法で正しく精度を測定できるのかね・・と思いつつも、「だったら、そのやり方での測定結果を見せて欲しい」と迫ると、「データは保管していない。」との返事。全く取り付く島がありません。このままでは、ウヤムヤにされて、不良品を掴まされたまま泣き寝入りしかねません。正直、困ったなと思いましたが、よくよく機械の梱包をみると、なんと英文の精度検査表が貼り付けてあるではありませんか!検査表を箱から引き剥がし、内容を確認したところ、そこに書かれていたのは、JIS規格に倣ったオーソドックスな検査方法でした。どの検査表も、測定した数値が手書きされており、機械番号、検査日、検査責任者のサインまで入った本格的なものでした。でも、書き込まれている数値は、恐れていた通り、私たちが全く同じ方法で検査をした結果とは大きくかけ離れたものでした。 記入されている数字があまりにも良すぎるのです。1台目の検査表には、主軸の振れが0.008mmと記入されていました。 このクラスのフライス盤としては素晴らしい数値です。それが、私たちの検査では0.2mmです。2台目の検査表にも0.008mm、それに対して、私たちの数値は0.3mm。3台目の検査表にも0.008mm・・・「あれ?何かへんだぞ。どの検査表も、全部数字が0.008mmだ!?」ほかの項目も含めて、すべての検査表を見比べたところ、書かれている数字は殆どすべて同じだということがわかりました。

結局、「検査のやり方が違っている」という言い訳は真っ赤な嘘で、検査方法自体は、私たちが実施している方法と殆ど同じでした。「検査を3回している」というのも嘘です。全く検査もしないで、でたらめな数値を記入して出荷したというのが真相でしょう。この一連の事実に、空いた口が塞がりません。

向こうの検査表の数値とこちらの測定結果を、件の海外メーカーに突き付けたところ、観念したのか、どうやら渋々こちらの要求に応じてくれそうな気配です。でも、きちんとした主軸が手元の届くまでは安心できません。

diary_20131025_1.jpg

<工場周辺に暗躍する産業スパイ!?> 2013.09.20

先日、あるお客様より、「おたくの製品の整備は、札幌工場ではなく、外部に委託しているのですか。そんな噂を聞くのですが」という質問がありました。「委託? 確かに海外メーカーに機械を作らせているから、その意味では“委託”ですが、国内での整備調整作業を外部に委託なんてしていませんよ。」と答えました。でも気になったので、「どこからそんな話を聞きましたか?」と尋ねると、あるライバル会社の人が、実際に札幌工場に偵察に来たことがあるという話だったのです。ところがその時、工場は操業していなかった(?)ので、そこでは仕事をしていないと判断したというのです。

一体だれがいつ工場に来たのでしょうか。顔なじみの出入りの業者さんなどを除き、一般の来客については、殆ど記録に残してあります。記録を調べても、ライバル会社或いはそれの回し者と思しき来客の心当たりはありません。もっとも、「自分はライバル会社の者だ」と言って工場に入ってくる間抜けなスパイはいないはずですから、そんなことを調査するだけ無駄かもしれません。恐らくライバル社の方は当社工場の前まできて、外から眺めたのではないかと推測しています。でも次の疑問として、なぜ操業していないと思ったのでしょうか。札幌工場は、人数の割に広いスペースがあるので、ガラガラに見えるのかもしれません。おまけに、飛び地もあるし、テナントさんに貸している部分もあります。そんな様子をみて勘違いしたのでしょうか。
でも、はるばる北海道まで偵察に来られるライバル会社があるのだということを知り、大変な時代になったものだと思いました。全く、油断も隙もありません。

そんなことを考えているうちに、以前、遠くから工場に向けてカメラを構えている“不審”人物がいたことを思い出しました。近所で、何棟かマンションが建設される前だったので、不動産関係者がこの周辺を撮影しているのだと思い、当時は気にも留めませんでしたが・・。念のため「工場周辺で怪しい人物をみたことがあるか。」と、社内で問いかけてみたところ、ある社員が、「そういえば・・・」と“衝撃的”な事実を語りだしました。
「何年前になるか覚えていませんが、ある晴れた秋の日の午後、工場の前の駐車場に入り込んでウロウロしている若い男性がいました。 不審に思い、当社の事務員が声をかけたところ、『ここで何を作っていますか?中を見せてもらってよいですか。』というのです。顔は日本人なのですが、少し日本語が変だったので、外国人ではないかと思いました。その時は、超繁忙状態だったこともあり、丁重にお断りしたのですが、あれは一種の産業スパイだったのでしょうか。」
それを聞いて誰かが、「うちみたいな会社も産業スパイに狙われるようになったのか。ちょっと偉くなったみたいだね。」と言って、みんなで大笑いをしました。

スパイはともかく、物騒な世の中ではあるので、札幌工場でも日頃から防犯対策には常に気を配っております。念のため。


<比較表で損をする> 2013.08.23

この日誌に限らず、弊社のHPやカタログ上で言い古されていることなので、いつも読んで下さっている方々からは「またか」と言われそうですが、寿貿易・メカニクスの強みは、やはり、真面目に、そして愚直に輸入機械を仕上げて、お客様にお届けしていることであり、さらに納入後も誠実にアフターサポートに取り組んでいることだと自負しています。
ところが、このような地道な努力が、全く評価されずに無視されてしまう場面に遭遇することが時々あります。
皆さんが家電製品などを買うときには、いくつかの候補製品を比較検討した上で、最終的に購入を決断するのではないでしょうか。数万円の家電製品を選ぶときでも、慎重に検討するわけですから、数十万~数百万の旋盤・フライス盤の購入にあたっては、より慎重に、そして入念に類似製品と比較検討をするのは当然です。個人で購入する場合なら、頭の中であれこれ比較して、購入機種を決めてしまうこともあるでしょう。でも、企業や官庁など、法人として購入する場合には、まず購買担当者が候補機種の比較資料のようなものを作成して、それを基に社内で検討の末、最終的に機種を決定するケースが多いのではないでしょうか。
実は、この比較資料において、私たちが地道に努力している部分が全く反映されないことがあります。特記事項として、“この会社の製品は割高だが、きちんと整備されアフターサービスもしっかりしている”などと明記されれば救われるのですが、ただ、スペックと価格だけの比較表を作られると、同じような仕様なのに、私たちの機械だけが高いような印象を与えてしまう結果になります。
いままで、そのような理由で、候補から漏れてしまったことがありました。

私たちの仕事は、地味で目に見えない部分が多く、実際の成果が理解されにくいのは事実です。
現時点では人手も費用も足りず、とても無理なのですが、将来は工場見学会のようなイベントを開くことができたら面白いと思っています。1台の輸入旋盤のどこに問題があって、どのような作業を実施しているのか、どんなところで苦労しているのか・・・などを間近でご覧になれば、実際の整備・調整作業が如何に大変かということを理解して頂けるはずです。
そうすれば、比較表の書き方も自ずと変わっていくのではないでしょうか・・・。

いずれにしても悩ましい問題です。

製造現場でも重宝する機種
持ち込まれた古い機械の修理も大切な仕事

<悩むことを楽しむ> 2013.07.25

お客様から、加工に関する相談を受けることがよくあります。図面やサンプル品を見せられ、これと同じものをミニ旋盤やミニフライス盤を使って作ることができないかという質問です。中には、具体的に1日XX個作りたいという条件まで提示されることがあります。工場では、図面を見せられれば、ある程度可否は判断できます。でも「作れます」と回答する時に“ただし書き”が必要になることがしばしばあります。というのは、機械の導入を検討されているお客様の中に、旋盤やフライス盤があれば、半ば自動的に物が出来上がると錯覚している方が時々おられるからです。このようなお客様には、
「この機械があれば作れるとは思いますが、加工技術が伴わないと困難です・・」、
「このような加工精度を出すには創意工夫が必要です。機械の良し悪しよりも腕の良し悪しが問題になります」などという否定的な回答になりがちです。
加えて、複雑な形状や特殊な素材を相手にするなら、治具も必要になります。
「治具は市販されているわけではなく、加工内容に合わせて自分の頭で考えて作るものですよ。」
実際に、最適な治具を作るには様々な知恵が必要になります。腕がよい職人はよい治具を自分で作れる人です。
ならば、NC付きの機械なら腕や知恵がなくてもよいのかと聞かれることもあります。答えはノーです。NC機は、プログラム通りに加工しますが、削られた部品が思惑通りに仕上がっているとは限りません。加工中にワークが変形したり、熱により歪んだりすることがありますし、切削中に刃物が摩耗して切り込み量が変わったりします。こうした様々な要素を勘案しないと、いい工作は出来ません。そのようなことは、NCの付いていない機械加工での経験を通じて培われるものです。結局、普通の旋盤やフライス盤できちんとした加工ができないと、NC機を使いこなすことは困難だということです。

先日お客様より、ある部品の加工がミニ旋盤で可能かどうか検証したい、ついては札幌工場で試しに削って欲しいとの依頼を受けました。工場で担当者が、ミニ旋盤と標準的なバイトを使って、実際に削ってみました。本当にきれいに仕上がりましたので、お客様に対し、このような加工なら、弊社のミニ旋盤でもきれいに加工できますよと回答しました。
しかしながら、結局、そのお客様はミニ旋盤の購入を断念しました。理由を伺ってみると、
「確かにきれいに仕上がっているが、札幌工場の職人が作業したから可能なのであって、自分には同じ作業は出来ない。素人の自分でもきれいに加工できなければ、機械を導入しても意味がない」とのことでした。話をお聞きして、非常に残念な気持ちになりました。

旋盤やフライス盤による加工は、ピアノやバイオリンなどの演奏に似ていると思っています。最初からうまく弾ける人はいません。車の運転だって、教習所に入所したばかりの時は、皆おっかなびっくりだったはずです。機械加工も最初からうまくできる訳はありません。最初からよい治具を作ることが出来る人もいません。失敗や試行錯誤を繰り返しているうちに、技量が上がり、勘所もつかめるようになり、よい工作ができるようになるのです。悩むことを大いに楽しみつつ腕を磨き、機械加工をエンジョイして頂きたいものです。

製造現場でも重宝する機種
札幌工場でも治具は欠かせません

<キリコの話> 2013.06.21

旋盤やフライス盤で金属を削った時に出てくる屑のことをキリコといいます。キリコは、漢字で「切粉」と書くことが多いのですが、これは当て字で、本当のところは、どう書くのが正しいのかわからないとのことです。だから、「キリコ」或いは「きりこ」と仮名で表現するのが妥当なようです。キリコの色や形状は、金属の材質、刃物の研ぎ具合、切削スピードなどにより、様々に変化します。
子供のころ、通学路に機械関係の町工場があり、その出入口の脇のゴミ捨て場付近に、パーマがかかったようにチリチリになった細長い金属のかけらや、チップ状の金属片が散らばっていました。面白そうなので、よく学校の帰りに拾って持ち帰りました。その頃はその金属片の正体を知る由もなかったのですが、あれこそがキリコでした。
なぜ、そんなものを拾っていたかといえば、形状が面白く、また、光の反射によっては表面が虹色に見えるものがあり、見ていて飽きなかったからです。ただ、鋭利な部分もあり、時々指を切ってバンドエイドのお世話になったことも1回2回ではありません。キリコは削りカスなので、結局、捨てるだけのものです。そんな“ごみ”を飽きずに見ていた当時の自分は相当変わっていたと思います。ところが、元旋盤工で作家の小関智弘さんの本に、工作機械を使って金属を削っていると、キリコにみとれる瞬間があると書かれており、非常に興味をそそられました。ちょっと長いのですが引用します。

『旋盤工にしろフライス盤工にしろ、工作機械を使って金属を削っている人間は、刃物の先から生み出されるキリコをじっとみつめているうちに、そのキリコの形や色にみとれて、ある錯覚におちいる瞬間がある。(中略)自分はいまそのキリコそのものを作っているのだという錯覚を持つ。』『キリコを見つめていれば、金属素材のよしあしもわかるし、刃先が傷んできたかどうかもわかる。刃先が傷んで切れ味が悪くなれば、キリコの形も色も変わる。(中略)キリコを眺めていると、ふと、自分はいまそのキリコを作るために働いている、と錯覚してしまう。』(「鉄を削る」町工場の技術 小関智弘 ㈱太郎次郎社刊1985年)

キリコは切削作業のすべてを無言のうちに語っているのです。
言い方を変えれば、キリコは機械工にとって教師あるいはナビゲータというべき存在です。

ところで、寿貿易・メカニクスの商標をご存じですか?アルファベットのCの形をしているので、時々、「なぜCなのですか、CompanyのCですか?」という質問を受けます。実はこれ、キリコをイメージしているのです。でも、何故、ごみであるはずのキリコを敢えて商標にしたのでしょうか。それは、キリコが金属切削における影の主役だからです。
ただ、誰が見ても、キリコとは認識されずに、Cだと誤解されるのは、やはり残念ですね。

製造現場でも重宝する機種
寿貿易・メカニクスの商標 キリコマーク

<製造現場でも重宝する機種> 2013.05.23

弊社では、ホビー用や試作・研究開発用旋盤・フライス盤に加えて、製造現場でも重宝する機械を何機種か取り揃えています。旋盤ならL330、USL6、USL5.5A-INV、 フライス盤ならM28、M45、M40HVA、それにラジアルボール盤のM30RAなどがあります。L330とUSL6はオイルバス・ギア駆動式の本格的な旋盤であり、USL5.5A-INVは三菱製インバータを搭載した新鋭旋盤です。 M28Aはひざ型のフライス盤、M45はオイルバス・ギア駆動式のベッド型フライス盤、そしてM40HVAはタテ・ヨコ兼用フライス盤です。それぞれに特長があり、これらの機械を組み合わせることにより、様々な作業が可能となります。製造現場で大いに力が発揮できるように、3相200V電源が使えるようになっています。とは言え、これらの機種は、一般の工場で使用する機械としては間違いなく“超”小型で、大きなスペースを必要としません。にもかかわらず、気軽にガリガリ削れるので、「絶対に手放せない」とおっしゃるユーザ様が多数おられます。
これらの機種も、製品または半製品の形で海外から輸入されています。日頃、輸入機の品質については、怒ってみたり、嘆いてみたりしていますが、これらは、ホビー用の機種に比べれば、格段に安定した品質を有しているといえるでしょう。
だからと言って、全く手放しで出荷できるわけではありません。時々、深刻な不適合部品が発見されるので油断は禁物。それなりにきちんと整備・調整する必要があります。実際、出荷前検査を通じて、厚みにムラがあるXYテーブルやテーパーが研磨されていない主軸などを発見したことがあります。そうした部分も札幌工場できちんと直せば、実用性が極めて高いコンパクトなマシンに生まれ変わります。
弊社の品揃えの中では、“高額”な部類に入りますが、長い目で見て絶対にお買い得です。自信をもってお奨めします。

製造現場でも重宝する機種
L330旋盤を整備・調整中

<他社機ユーザ様からの相談> 2013.04.18

今年に入ってから、他社から類似の旋盤・フライス盤を購入された方からの修理や消耗品・スペアパーツ供給に関するご相談が増えてきました。週に1-2件はそのような電話やメールが舞い込んできます。このような問い合わせは珍しいことではないのですが、最近の件数はちょっと異常です。はっきりした理由はわかりませんが、購入した業者さんと連絡がとれなくなった、業者さんがきちんとした対応をしてくれなかった・・など様々な事情があるようです。
お手持ちの機械が、弊社で扱っている機種と外観がそっくりであるため、これらのユーザ様は、全く同じ機械だと信じて弊社にコンタクトしてくるようです。でも、実をいうと、使われている消耗品やスペアパーツは必ずしも同じではないのです。弊社が海外メーカに特に指定して取り付けさせている部品もあれば、札幌工場での整備・調整過程で取り換えている部品もあります。また、最近の法規制に合わせて独自に仕様変更している部分もあります。したがって、仮に消耗品や部品をお出ししても、ものによっては仕様が違っていたり、そのままでは取り付けができなかったりするといった問題が発生しがちです。
他社機ユーザ様の中には、その部品が壊れたために機械が動かせず、大事な仕事が止まってしまい、藁をもすがる思いで連絡してこられた方もいらっしゃいます。でも、前述した事情もあり、お断りせざるを得ません。
それよりももっと重要なことは、弊社で在庫している部品類は、弊社の機械を選んで下さったお客様のために、リスクをとって長期保管しているものだということです。中には在庫数が1-2個しかない貴重な部品も含まれます。そのような部品を他社機ユーザ様に売却したために、弊社のユーザ様にご不便をおかけするようなことがあってはならないと考えます。
しかしながら、困り果てて連絡してきた他社機ユーザ様からの依頼をお断りするのは、やむを得ないこととはいえ、心中に葛藤がないといえば嘘になります。全く釈然としない問題です。


<FL551Vの真実-限りなくAタイプに近いMSタイプ> 2013.03.27

FL551V旋盤には2つの顔があります。まず、衝撃的な事実として、輸入された段階でこれほど品質の悪い機械はないということです。塗装はひどく、ボディは傷だらけ。梱包用の箱も劣悪。これが新品なのか、中古品でも、もっとマシな機械があるのではないか、と言いたくなるくらいの惨憺たる状態で入荷されます。この機種は取扱いを開始して3年以上経ちますが、年々品質が悪くなり、最近、入荷したロットなどは、ベッドの裏側の処理が悪く、機能上の問題も深刻なレベルでした。このため、機械全体を分解し、ベッドを丸裸にした上で、フライス盤にかけて再加工せざるを得なくなりました。大きな決断でした。
一方、「素材」としてのFL551Vは非常に魅力的です。件のベッドにしても、修正加工した裏側はともかく、摺動面は高周波焼き入れの上、精密研磨されています。主軸の貫通穴が26mmというのもうれしい。ですから、しかるべき処置を講じれば、この機械はものすごく光るのです。
いずれにせよ、この機械の整備時間は当初の想定をはるかに超えるものになりました。このような事態を受けて、やむを得ずこの機種の作業内容、工程を根底から見直しました。それに加えて、中国の人件費高騰による度重なる値上げ(品質が悪くなっているのに、値上げとは全く納得がいきませんが・・・)と、最近の急激な円安というダブルパンチにより、誠に遺憾ながら、この機種については大幅な値上げを余儀なくされました。
整備により、輸入した時とは見違えるほどの品質になりましたが、元が悪すぎるのでどうしても外観的には完全なAタイプにはなりません。私たちの目からみれば、小さな色ムラなどが残り、やや難ありです。だから依然としてMSタイプのままですが、機能的にはほぼAタイプといってもいいでしょう。
いま出荷しているFL551Vは、少なくともメカ部分の品質については規定通りのレベルに仕上がり、実用上は全く問題のない機械に生まれ変わりました。限りなくAタイプに近いMSタイプといえるでしょう。


<当たりはずれが大きいから工場で直すのです> 2013.02.14

2005年の作業日誌の中に、<当たりはずれの大きいFM80E>という題名の記事が載っています。あれから7年以上経過した現在でも、FM80Eフライス盤はロングセラー商品として健在ですが、記事中で指摘された輸入機特有の品質上の問題は、ほとんど改善されていません。いや、むしろ当時より悪くなったのではないでしょうか。 最近は中国製品の品質レベルも上がってきたとの報道をよく耳にするようになりましたが、私たちに言わせれば、一体どこがよくなったのかと思ってしまいます。
先日、FM80Eを検討されているお客様から、(日誌にある通り)「当たりはずれが大きいので、購入するのが不安だ」というご意見を伺いました。「当たりはずれ・・・」というタイトルがよっぽど強い印象を与えたのだと思いますが、こちらの意図と真逆の意味にとられているのでびっくりしました。この機種に限らず、中国など海外から輸入する機械は、品質にバラつきがあり、不良部品が平気で組み込まれているケースが珍しくありません。そのような機械を、札幌工場では、ひとつひとつ丁寧に整備・調整して、一定の品質に収まるように手直ししているのです。ですから、札幌工場から出荷される機械は、「当たりはずれをできる限り小さく」したものなのです。
それにしても、海外から輸入されたままの品質が、以前にも増して悪くなっているので、工場での整備作業に手間がかかって仕方がありません。コストのことを考えれば、極力分解は避けたいのですが、やむを得ず不具合箇所をばらばらに分解して整備するケースが激増しております。こうなれば、AタイプとMSタイプで、整備に差をつけることが不可能になり、MSタイプのつもりで整備しても、結果的にAタイプの品質に仕上がってしまうということが多くなりました。
FM80Eを含む数機種でMSタイプの販売を中止し、Aタイプに一本化しましたが、その裏には、そのような事情があったのです。 今後もそのような機種が増えるかもしれません。でもAタイプ オンリーになったことにより、品質レベルは確実に進化したという実感はあります。


<古い木造工場> 2013.01.17

今年の札幌は例年に比べ雪が非常に多いようです。積もった雪が道路脇に積み上げられているので、札幌市内の道路はどこも大渋滞になりました。本州方面に出荷する機械の運送に影響がでないことを毎日祈っています。

札幌工場の鉄骨造りの工場棟に隣接している古い木造工場の屋根にも大量の雪が積もっています。「12月の終わりに屋根の除雪をしたばかりなのに・・・」と、降り積もった雪を恨めしそうに見つめてしまいます。木造の工場は戦前に建てられた古いものです。よく今日まで長年の風雪に耐え抜いてきたものだと、積もった雪を眺めながら感心してしまいます。聞くところによれば、この建物にはふんだんに北海道産の木材が使われ、相当頑丈に作られたものだそうです。建築に関する知識がないので、細かいところまではわかりませんが、骨組みに特長があり、非常に珍しいものだそうです。いまではなかなか手に入りそうもないカラ松材の太い梁は、長年の粉塵や油のせいで黒ずんでいますが、がっちりと屋根を支えています。創業当時の札幌工場では、その頃の多くの工場がそうであったように、いわゆる“ベルト掛け”の機械が使われていました。この太い梁の上に、大きなモータが据え付けられ、平ベルトを介して、天井に取り付けられた長いシャフトを回転させます。そのシャフトについているたくさんの滑車から、工場内の各機械までをベルトでつなぎ、旋盤や形削盤などに動力を伝えるようになっていました。モータが高価だったこともあり、たった一台のモータで工場内の全ての機械を動かしていたわけです。 いまでも、梁には当時の痕跡があります。また、切削油タンクも天井に据え付けられていたようで、ドラム缶を利用したタンクがそのままの形で残っています。

この木造工場については、以前から建て替えの話が出ていますが、諸事情あり実現に至っておりません。非常に愛着がある建物ではあるのですが、使い勝手も悪く、工場を新しくしたいというのが本音です。実際、建設会社さんからも建て替えの提案を受けたことがあります。
でも、あるゼネコンの担当者は、この木造工場を見回してから意外なことを言いました。「今後、このような木材を調達することは不可能ですし、非常にしっかりと作られた貴重な建物ですので、大事に残していくべきかもしれませんね。」

修理前 修理後

space
<<2012年 2013年 2014年>>