札幌工場で輸入機械に対して実施される通常の出荷前検査作業は、お客様から注文を受けてから着手します。原則として作り置きはしていません。理由は、機械と一緒に出荷するアクセサリ類が、注文毎に様々なので、予め完成品を揃えて在庫しておくことが困難だからです。FL350E旋盤でいえば、基本セット、標準セット、フルセットなどがあり、それぞれ作業工程が微妙に異なります。ご注文内容によっては、基本セットにデジタル目盛を追加するとか、標準セットに固定振止をプラスするとか、或いはフルセットに心押台レバーを付けるなどなど、様々なご要望に柔軟に対応させて頂いているため、予めすべてを準備しておくことが不可能なのです。

ところで、この日誌でも度々取り上げていますが、輸入される機械の品質が全く向上していません。というより、どんどん悪くなっています。メーカーや機種により程度の差はありますが、品質の悪化に伴い、出荷前検査に要する工数が年々上昇し、社内的に大きな問題になっています。このため、一部の機種については、いわゆる出荷前検査作業に入る前に、その前段の作業(工場では前<まえ>作業と呼んでいます)をロットごとにまとめて実施するようになりました。例えば、工場に同一機種が30台入荷すると、30台分をまとめて整備してしまうのです。整備というより、改造または修正に近いものです。必要に応じて各種の治具も製作しています。ロットによってはやむを得ず、全分解します。特にベッドが悪い場合は嫌でも分解せざるを得ません。当然コストもアップしますので、あまり安い価格で販売することができなくなります。時々、“全分解作業”を実施しているにもかかわらず低価格で販売している業者さんがあるという噂を耳にしますが、私たちには、そんな魔法のようなことは出来ません。いずれにせよ、前作業が済んだ半製品を、受注に応じて出荷前検査工程に移します。すでに大方の問題箇所が修正済なので、スムースに作業が進み、結果的には、従来よりも少ない工数で仕上げることができるようになりました。

前作業や出荷前検査作業は、まだまだ改善の余地が大きく、毎日みんなで知恵を出し合い、作業効率の改善に努めています。