お客様から年度末までの納入を要求されていた旋盤・フライス盤などの出荷が終わり、少し気持ちに余裕が出てきたところです。

例年2月から3月下旬までの期間は、出荷準備作業に追われて、目が回るような忙しさとなります。ところが、こういう時に限って、原因のわからない不適合品が見つかり、作業が中断するような、間の悪いことがしばしば起こります。恐れていた通り、今年も予感が的中してしまいました。

3週間前に、弊社のフライス盤の中では大きい方に属する機械の運転音に異常を認めました。言葉で表すのは難しいのですが、主軸の辺りから、何ともいえない変な音が発生するのです。

すぐに、主軸周りを分解して、いろいろ調査してみたのですが、どうも原因が掴めません。
それでも、問題が潜んでいる可能性があると思われる部品の目星をつけることは出来ました。しかし、当該部品のストックはゼロ。さらに困ったことに、この機種の在庫は、その時点で、これ1台のみ。同型機の部品と交換して、検証してみることも出来ません。
予定通り、この機械を3月末までに納入出来るか怪しくなってきました。

海外の仕入先にメールで、異音の状況と、私たちが調査した内容を送り、当該部品の支給を依頼しました。
今までの経験上、海外の仕入先に不具合などの対応を依頼しても、私たちの調査結果や要求をすんなり受け入れてくれたことはあまりありません。
恐らく、仕入先の品質に対するプライドの問題とコストのかかる部品供給を極力避けたいという心理上の抵抗があるからだと思われます。
メールを送信する時には、例のごとく、不毛な議論の応酬になるような気がして、少し不安でした。

でも今回は、いつもと少し様子が違っていました。仕入先との間で多少の紆余曲折はあったものの、こちらの事情に配慮してくれたのか、最終的には部品を超特急で空輸してくれました。札幌工場に部品が着くなり、すぐに問題のフライス盤に取り付けてみました。そして、試運転。工場内に一瞬緊張が走ります。スイッチをONに入れ、主軸が回転しはじめましたが、機械からは、何も異音が発生しません。間に合った!一部の社員から歓声があがりました。

ということで、このフライス盤を、無事に納品することが出来ました。これにて、年度内納入を予定していた機械の出荷が全て終わりました。今回は、海外の仕入先の迅速な対応が功を奏しました。ご協力有難うございました。

札幌の雪も半分以上融けてなくなりました。桜の開花はまだ先ですが、札幌工場にも、いよいよ春が訪れます。