「貴社で扱っている卓上旋盤を使って、部品加工がしたいと思っています。単純な作業で高い精度は要求しません。一日の加工数量は4000-5000個程度なのですが・・・」
「おたくのミニ旋盤は精度調整しているそうだけど、汎用旋盤と同レベルの精度が出ていると考えてよいですか?」
「2mmの丸棒の真ん中に0.5mmの穴を開けたいのですが・・・」
「加工精度4μ以内に収まりますか?」

私たちも機械を売るのが商売ですから、ひとりでも多くのお客様に機械をお売りしたいのが本音です。でも、上記のようなご質問に対しては、勇気を振り絞って「残念ながら、当社の機械では無理です。申し訳ございません。」とお答えせざるを得ません。それでも、このような問い合わせを受けたり、質問を投げかけられたりするのは、とても光栄なことだと思っています。それだけ、弊社が期待されているわけですから・・・
弊社がお届けする旋盤やフライス盤は、中国や台湾からの輸入品といえども、札幌工場でひとつひとつ丁寧に仕上げて出荷しています。従って、他の類似製品に比べ、品質的に優れ、コストパフォーマンスが高いという自負はあります。また、長年の工作機械製造と豊富なアフターサービス経験を活かして、お客様からの様々な要求に応えて参りましたし、今後も続けていきます。しかしながら、やはり限界もあります。弊社で取り扱っている機械は生産用としてではなく、研究室における試作、工場における生産補助、学校での実習、或いはホビーなどでの使用を前提に開発されたものです。そしてそれらを、出来るだけお求めやすい価格でご提供することを目標としております。 従いまして機能も精度もその目的の範囲内にとどめられています。
冒頭のご質問で要求される構造や精度を実現しようとすると、ご提供価格も0がひとつか二つ多くなってしまうでしょう。このような内容の相談を受けていると、出来るだけ安いコストで高精度加工や大量加工をしなければ競争に勝てないという、お客様の切実な気持ちが、ひしひしと伝わってきます。それなのに、こうしたお客様のご要望になかなかお応え出来ないことに、私たちももどかしさを感じます。