弊社の取り扱い機種を10年前のそれらと比較してみると、無段変速タイプの機種が格段に多くなっていることに気づきます。インバータ方式やエレクトロニクス制御方式によりツマミひとつでスピードを調節できるため、無段変速タイプはとても便利です。一方、ベルト掛け替えタイプの機種は、主軸回転数を変更する度に、いちいちベルトの位置を手作業で替えなくてはならないので、確かに不便です。こんな訳で、無段変速タイプの機種が主流になりつつあるのですが、弱点もあります。それは信頼性です。現状では、海外製の基板・モータを搭載したエレクトロニクス制御の無段変速タイプの機種については、残念ながらまだまだ課題があるといわざるを得ません。もちろん、弊社では、一部の電装品を国産品に交換したり、予めスペアパーツを保有したりして、常にトラブルに備えています。
一方、昔ながらのベルト掛け替え式旋盤は、無段変速タイプに比べて、トラブルの発生率はずっと少ないようです。不幸にもトラブルが発生しても、電装品が単純なため、修理も比較的容易です。なお弊社では、ベルト掛け替え式の旋盤の一部に日立製モータを搭載しています。日立製モータ搭載により、信頼性はさらに高まります。
(因みに、弊社で手掛けているインバータ搭載機種[USL5.5-INVなど]については、一流メーカの電装品を採用していることもあり、高い信頼性を有していると自負しています。)

日頃、札幌工場で旋盤を操作している社員たちに、無段変速タイプとベルト掛け替えタイプの旋盤のうち、どちらを選ぶかと訊いてみたところ、明確な答えが出ませんでした。
「使用目的、切削材料、それに作業者の技量によるから、一概にどちらがよいとはいえない」「どんな場合に無段変速がよいとか、或いは、ベルト式がよいなんて、簡単にはいえない」確かにその通りですが、これではお客様にアドバイス出来ません。ちょっと困ったなと思っていたところ、多くの社員が異口同音にこんなことを言いました-「ベルト掛け替え式旋盤は構造がシンプルで、壊れにくいので、長い目でみてお買い得だと思いますよ。操作に不慣れな初心者や学校の生徒さんたちが多少手荒(?)に扱っても問題が起きにくいし、古くなって電装品の交換が必要になった時でも、部品の調達が楽ですしね」と。
こうしてみると、昔ながらのベルト掛け替え式旋盤も捨てたものではない、と認識を新たにしました。


日立製モータ取り付け作業(FL400E)