先日、あるお客様より、「おたくの製品の整備は、札幌工場ではなく、外部に委託しているのですか。そんな噂を聞くのですが」という質問がありました。「委託? 確かに海外メーカーに機械を作らせているから、その意味では“委託”ですが、国内での整備調整作業を外部に委託なんてしていませんよ。」と答えました。でも気になったので、「どこからそんな話を聞きましたか?」と尋ねると、あるライバル会社の人が、実際に札幌工場に偵察に来たことがあるという話だったのです。ところがその時、工場は操業していなかった(?)ので、そこでは仕事をしていないと判断したというのです。

一体だれがいつ工場に来たのでしょうか。顔なじみの出入りの業者さんなどを除き、一般の来客については、殆ど記録に残してあります。記録を調べても、ライバル会社或いはそれの回し者と思しき来客の心当たりはありません。もっとも、「自分はライバル会社の者だ」と言って工場に入ってくる間抜けなスパイはいないはずですから、そんなことを調査するだけ無駄かもしれません。恐らくライバル社の方は当社工場の前まできて、外から眺めたのではないかと推測しています。でも次の疑問として、なぜ操業していないと思ったのでしょうか。札幌工場は、人数の割に広いスペースがあるので、ガラガラに見えるのかもしれません。おまけに、飛び地もあるし、テナントさんに貸している部分もあります。そんな様子をみて勘違いしたのでしょうか。
でも、はるばる北海道まで偵察に来られるライバル会社があるのだということを知り、大変な時代になったものだと思いました。全く、油断も隙もありません。

そんなことを考えているうちに、以前、遠くから工場に向けてカメラを構えている“不審”人物がいたことを思い出しました。近所で、何棟かマンションが建設される前だったので、不動産関係者がこの周辺を撮影しているのだと思い、当時は気にも留めませんでしたが・・。念のため「工場周辺で怪しい人物をみたことがあるか。」と、社内で問いかけてみたところ、ある社員が、「そういえば・・・」と“衝撃的”な事実を語りだしました。
「何年前になるか覚えていませんが、ある晴れた秋の日の午後、工場の前の駐車場に入り込んでウロウロしている若い男性がいました。 不審に思い、当社の事務員が声をかけたところ、『ここで何を作っていますか?中を見せてもらってよいですか。』というのです。顔は日本人なのですが、少し日本語が変だったので、外国人ではないかと思いました。その時は、超繁忙状態だったこともあり、丁重にお断りしたのですが、あれは一種の産業スパイだったのでしょうか。」
それを聞いて誰かが、「うちみたいな会社も産業スパイに狙われるようになったのか。ちょっと偉くなったみたいだね。」と言って、みんなで大笑いをしました。

スパイはともかく、物騒な世の中ではあるので、札幌工場でも日頃から防犯対策には常に気を配っております。念のため。