デジタルスケールは、旋盤の長手方向やクロス方向、フライス盤のXYテーブルやクイルに取り付けることにより、刃物や工作物の移動量をデジタル表示のディスプレイから容易に読み取る事が出来る大変便利な器具です。弊社の各機種も、一部を除き、デジタルスケールの取り付けが可能です。弊社が採用しているデジタルスケールは日本の一流メーカーの製品です。

最近はデジタルスケールの取り付けを希望されるお客様が増えています。ただ、取り付けに要する費用があまり安くないために、見積金額をご覧になってびっくりされるお客様もおられます。因みに、比較的安い価格帯の機械に取り付けると、デジタルスケール関係の費用が機械本体の価格と同じくらいになるという珍現象が発生する場合もあります。でも、それには理由があります。デジタルスケールをきちんとした形で取り付けようとすると意外に手間がかかるからなのです。

デジタルスケールを機械に“適当に”取り付けるだけならそんなに費用はかかりません。事実、そのような形で、かなり乱暴(?)に取り付けて販売している業者さんを見たことがあります。デジタルスケールを正しく取り付けるには、しっかりとした取り付け用金具を製作し、正確に位置を決め、機械の動きとスケールの動きが平行になるように微調整しながら作業を進める必要があります。加えて、キリコや油で誤作動が起きないように防塵カバーなども取り付けます。こうした手間暇をかけないと、やはり後々問題が出やすいのです。

実は海外の旋盤・フライス盤メーカーでも、デジタルスケールを装備した製品を取り扱っています。それらを輸入すれば、恐らくグッと価格は下がるでしょう。でも、かなり雑な形で取り付けられている上、スケール自体もあまりにも誤作動やトラブルが多いので、怖くて積極的に取り扱えないというのが正直なところです。従って弊社では、海外製のデジタルスケールを、ごく一部の機種でクイル用に採用しているにすぎません。
デジタルスケールについては、多少割高になっても、品質の確かな国産品を、札幌工場で確実に取り付けて出荷するというのが私たちの基本的なスタンスになっています。