輸入卓上旋盤やフライス盤の主軸のベアリングを、わざわざ日本製に取り換えているということを売りものにしている業者さんがいるという話を時々お客様からお聞きします。輸入機械に組み込まれている海外製の粗悪な(?)ベアリングを日本製に交換することにより、信頼性を向上させようという作戦なのでしょう。
同様に、一部の海外の製造元では、イメージ向上のために、敢えて日本製ベアリングを製品に組み込んでいるようです。
日本製のベアリングと海外製のベアリングの品質を比べれば、日本製に軍配が上がるのは間違いないと思います。でも私たちは、このレベルの機械のベアリングを日本製に交換することをあまり重要視していません。

意外に思われるかもしれませんが、低価格で販売しているミニ旋盤やフライス盤のベアリングを日本製に交換したことにより、精度や耐久性が向上したなどということを、久しく経験したことがないのです。このレベルの機械に使用される海外製の標準的なベアリングの品質が、以前に比べてかなり向上していることが大きな理由です。
従って、無理してまで日本製のベアリングに交換しなければならないという必然性が感じられません。交換のために機械を分解すれば、コストアップをはじめ、様々な“弊害”も心配しなければなりません。
いずれにせよ、札幌工場では、出荷前検査において、主軸の回転に異常があったり、異音のようなものを認めたりしない限り、ベアリングの交換を実施しません。精度が悪い場合は、その原因がベアリングにある時にのみに交換しています。

ベアリングが日本製か海外製かという問題よりも、組立工のスキルや心構えの方がよっぽど深刻な問題です。実は、主軸ベアリングの異常や異音の原因の殆どは、海外工場でのいい加減な取り付け方に起因しているのです。
先日も、輸入したミニ旋盤の主軸から異音がするので、主軸部を分解して調べてみたら、ベアリングが破損していました。主軸にベアリングが若干斜めに嵌め込まれおり、無理に叩き込んだことが破損の原因と思われます。因みに、そのベアリングは日本製でした。

いくら優秀な日本製ベアリングであっても、組み付け方が悪ければ元も子もありません。結局、よい製品を作ろうという気持ちを現場が持っているかどうかが重要であり、イメージ向上のために日本製ベアリングを使ってもあまり意味がないと感じます。