弊社で扱っている各機種は、輸入されたままの状態がどうであろうと、工場で整備することにより、“まともな”機械にすることが可能と判断した場合にのみ、商品化しています。もちろん、品質や性能は、販売価格との絡みがありますから、低価格機種なのに、高級機種のような品質、性能に近づけることは至難の業です。あくまで総合的なコストパフォーマンスという観点から、それぞれの価格帯で、最良の商品となるよう努力しているということです。
しかしながら、これらの機種は汎用品であり、特定の目的のために設計された専用機械とは異なります。ですから、ユーザー様が用途に合わせて、もっと使いやすい機械にしようと、様々な改造を施すというケースは、決して珍しいことではないようです。また、品質的に気になる部分を改造して、機械のレベルアップを図っているユーザー様もいるようです。

ユーザー様による改造事例は様々です-「プラスチック製ギアを金属製に変更した」、「ギア駆動部をベルト駆動に変えた」、「溶接して機体の強度を上げた」、「マイクロメータカラーの表示を見やすいものに変えた」、「ホコリよけのカバーを自作した」、「NC装置を取り付けた」など、多岐にわたります。それらの中には、私たちにとっても目からウロコの改造例もあります。時には、私たち作り手の視点と、使い手の視点に、大きなギャップがあることに気付き、大いに反省したこともあります。
ところで、一部のユーザー様は、ご自分が改造した内容をブログやHPで公開しているようです。 そのせいでしょうか。お客様より、札幌工場で同じような改造を実施した上で販売して欲しいという依頼が時々来るようになりました。

でも、遺憾ながら、改造をお請けすることが困難なケースが少なくありません。
理由は、改造自体が技術的に難しくなくても、メーカーとして責任が持てないからです。改造により、その部分が改善されても、別の部分に悪影響を及ぼすかも知れません。そのような可能性を十分考慮した上でなければ、なかなかお請けするのは難しいものです。それに、アフターサービスの可否などの問題も生じがちです。また、法規制に引っ掛かるケースもあります。お客様が、ご自分で改造して使用する分には差し支えがなくても、お金を頂いて改造する場合は、それらの問題をひとつひとつクリアしなければなりません。
私たちが輸入機械を商品化する過程でも、“まともな機械”に仕上げるためには、ある程度の改造や他の部品への交換は避けられません。改造や部品交換の可否については、それに伴う問題点などを十分検討した上で、判断しています。商品として売るわけですから慎重にならざるを得ません。

「壊れやすいプラスチックギアを金属製に変えて欲しい」という要望を例にとれば、金属製にすれば、確かに壊れにくくはなります。でも、運転時の騒音が大きくなるという副作用が出ます。また、電気回路におけるヒューズと同じで、機械に過負荷がかかった時に、プラスチックギアが壊れて、運転を強制的に止めることにより、機械全体に影響が及ぶことを防ぐ役割もあります。そのような理由を知らずに、ただ金属製ギアに交換すれば、過負荷状態でもギアが壊れずに、結果的に機械全体に被害が及んでしまうかも知れません。
改造をお断りしたことにより、「こんな簡単なこともできないのか」と落胆されるお客様もおられるかもしれませんが、それには、いろいろな事情があるのです。非常につらいところです。