先日、他社から購入した安価な類似機械をお持ちの方からメールが届きました。『機械の駆動ベルトが切れてしまったが、販売した業者に問い合わせても埒があかず、国内のベルト屋さんにも該当するサイズのベルトがなくて困っている。適合するベルトがあれば販売して欲しい。』という内容のものでした。ベルト一本がないために、機械を全く使用することが出来ず、無用の長物と化してしまったとも書かれていました。国内のベルト屋さんはともかく、機械を販売した業者さんの無責任さには、ただただあきれ返るばかりです。

最近、海外製の機械、特に中国製の機械を取り扱っていて気になることは、中国独自の工業規格に基づいた部品が使われるようになったことです。これらの部品は、私たちが慣れ親しんでいるJISやDINとは異なる形状で、全く互換性がありません。件のベルトも、どうも中国規格のようで、国内のベルトメーカーでは製造されていないようです。だから、このユーザ様がお困りの事情がよくわかるのです。

ところで弊社では、機会あるごとに、いろいろな旋盤やフライス盤、各種のアクセサリ類をサンプル品として輸入し、商品化の可能性を検討しています。そのまま、新商品化にゴーサインがでる“幸運”なサンプルがある一方で、全く日の目を見ずに、お蔵入りになってしまうサンプルもあります。現在、札幌工場には、そのような、残念な機械やアクセサリが何台も倉庫の片隅に眠っています。調査の結果、そんな中の1台に使われているベルトが、このユーザ様がお持ちの機械に適合するらしいということが分かりました。
正直いって、弊社が販売した機械ではないので、いつもこのような対応が出来る訳ではないのですが、取りあえずこのベルトをお送りしたところ、ユーザ様より、ぴったり装着できて、機械が使えるようになったというお礼のメールを頂きました。

今回は、捨てずに工場で保管していた残念なサンプル機のおかげで、1台の機械を蘇らすことが出来たようです(正直なところ、他社機なので、ちょっと複雑な気持ちですが・・・)。
因みに、私たちが扱う機械については、中国規格のベルト類も常時在庫し、お客様の便宜を図っております。はい。


札幌工場の片隅に保管されている残念な機械たち