一時期、ニュースでも大きく取り上げられた外国人観光客による爆買いも、最近は少し静かになってきたようです。報道によれば、外国人観光客のお目当ては、ブランド品、医薬品、化粧品、各種の日用品、食品、家電製品などが主のようです。シャワー式トイレが大人気だったことも記憶に新しいですね。でも、残念ながら、工作機械関係の商品は決して対象にはなりません。
一過性のものであっても、この不景気のご時世に、爆買いの恩恵にあずかった企業様に対して、正直うらやましく思ったものです。

そんなある日、私たちの東京のショールーム(寿貿易)に、外国人観光客と思しき人が訪れました。
私たちで扱う、ある小型の旋盤がお目当てでした。このお客様は、品質が高くリーズナブルな日本製の小型旋盤を探していて、“品質やサービスに定評がある”との評判を聞いて、弊社にたどり着いたのだそうです。はるばる外国から訪ねてきてくださったことに、弊社としては感謝感激なのですが、困ったことに、お目当ての旋盤は、ネットを中心に販売している外国製のもので、日本製ではありませんでした。もちろん、札幌工場できちんと整備をした上で、お出ししている商品ですから、ただの外国製品と同列に扱われるのは不本意です。しかし、元が外国製であることは否定できません。

嘘をつくわけにはいかないので、その旋盤の原産国や、札幌工場での調整内容などを丁寧に説明したのですが、やはり元が外国製であることに抵抗があるようでした。そこで、札幌工場製の国産旋盤や、元々は外国製ながら、殆ど全分解に近い形で調整すると同時に、電装品をはじめ部品の多くを日本製に取り換えた上で販売している別の旋盤を紹介しました。でも、それだと価格が予算をオーバーしてしまうとのことで、折り合いがつきませんでした。

折角、ショールームにお越し頂いたのに、お目当ての旋盤が輸入品だと知らされ、肩を落としてお帰りになった外国人のお客様の、さびしそうな後姿が忘れられません。

噂では、輸入機械を、平然と日本製と称して販売している業者さんもいるようです。落胆してお帰りになった外国人のお客様が間違って、このような業者さんから購入してしまうのではないかと、老婆心ながら心配になりました。

その後もう一組、別な外国人観光客の方がショールームを訪れましたが、同様の理由で商談成立には至りませんでした。