自動車や家電などで顕著なように、いわゆる“Made in Japan”の製品は高品質の代名詞になっています。工作機械も、日本製は世界一だといわれています。このため、私たちのお客様でも機械の製造国名を気になさる方がたくさんおられます。先日もある取引先より、個々の機械の製造国を教えてほしいとの依頼がありました。しかし、最近はこれに答えるのが非常に難しくなってきました。別に、製造国を隠したいからではありません。実際、弊社では問い合わせがあればありのままに答えています。問題は、大半の機械について、一概にXX国製といえなくなっているということなのです。
L150Newの製造国といわれれば日本製と回答します。これは事実です。でも、L180Vはといえば、「ベースマシンは中国製ですが、日本製の部品も多用しておりまして、精度調整も日本で実施しております・・・えっ? 結論としてどこ製かって? はい、結局、中国と日本の合作みたいな機械になります」てな具合で、はっきり回答できなくなっているのです。実際L180Vのコストの半分以上は日本で発生しています。ただ中国製といったら実態にそぐわないし、かといって日本製といえばこれも嘘になります。L943E万能工作機械(ミーリングアッタチメント付き)に至っては、事態はさらに深刻(?)です。「旋盤のベースマシンは台湾製部品を多用していますが・・・・精度はL150Newよりも厳しい基準で日本国内で調整しております・・・ミーリングアタッチメントはドイツ製で・・・これも日本で手を加えていますし、コストの7割は日本で発生しています」
事態をさらに複雑にしているのは、国内で調達する部品の製造国です。L943V-INVというインバータ付きの機械があります。インバータやモータは日本の有名メーカ製で、これらは当然日本で製造されていると固く信じられていますが、実は東南アジアの現地工場製だそうです。日本メーカの現地工場だから問題はないとは思いますが、ますます、製造国を言えない状況になっています。
件の取引先にこのあたりの事情をありのままに説明したところ、「結局、もともと外国で製造された機械でも、札幌工場で大事な作業を実施した上で出荷しているわけだから、札幌工場製ということにしましょう」という結論に落ち着きました。
でも、そういわれると弊社の機械はすべて札幌工場で手を加えていますので、どの機械も札幌製ということになってしまいます。もともと輸入機ながら、堂々と札幌製と胸をはれる機械もありますが、札幌製を強調するとお客様をミスリードする恐れのある機械もあります。そこで、弊社では、製造国にかかわらず、品質を基準として、高級機を「メカニクスシリーズ」、普及機を「ショップエースシリーズ」、廉価機を「FL・FMシリーズ」と3つのグレードに分けました。国産だから全ての部分でよい製品だとか、輸入品だから全て悪い製品とはいえない時代になりました。 製造国に左右されずに用途やご予算に合わせて、どうか最適の一台を選択していただきたいと思っています。私たち札幌工場は、少々問題のある輸入品も手塩にかけて命を吹き込み、よりよい状態でご提供できるよう日々努力しております。


輸入されたL180Vのベースマシンは札幌工場で一旦バラバラにされた後、丁寧に組み上げられます。