小型フライス盤FM140M18Aフライス盤の廉価版です。このモデルも台湾製で1980年代から販売を続けている超ロングセラー商品です。もちろん、その間に数々のマイナーチェンジや品質改善を繰り返しつつ今日に至っています。このモデルは比較的安価で操作性に優れ、しかも機構が単純で故障も少ないということで、欧米でも広く使われています。また、これのコピー機や類似機も多数出回っているようです。
M18Aは札幌工場でしかるべき精度調整を実施していますが、FM140は基本的に動作確認のみを行って出荷しています。動作確認のみといっても、モータの回転テストをはじめ、テーブルの動きやヘッドの上下送りなどは確認し、必要に応じて調整もします。
先日、出荷前検査を実施したFM140ではこんなことがありました。いつものように、輸入梱包を解き、当社独自の検査表に従ってテーブルなど各所のチェックを始めました。テーブル関係のチェックや調整が終わり、ヘッドに向かって右側にある上下送り用ハンドルに手をかけた時です。「あれ?ハンドルが全然動かない」ヘッドがクランプされているのかと、クランプボルトを確認しましたが、ボルトはちゃんと緩んでいます。グリスが固まってどこかに付着しているのかと調べてみましたが、それもなし。やむを得ず、ハンドルの取り付け部分を分解してみました。驚いたことに、内部に組み込まれているウォームギアの歯の一部が欠けていることが判明しました。台湾メーカが、気づかずに不良ギアを組み込んだものなのか、歯が欠けている(または欠けそうになっている)不良部品であることを知りながら組み込んだのか(このような確信犯的なケースも残念ながら皆無ではありません)はっきりはわかりません。 或いは、ウォームギアとラックとの噛み合わせを調整せずにただ組み付けた上、無理やりハンドルを回して、ギアを破損させたのかもしれません。輸入機械を扱っていると、出荷前検査における不具合部品の交換は日常茶飯事ではありますが、ウォームギアの歯欠けは初めての経験です。結局、このロットでは合計3台のウォームギアに歯欠けが認められました。
例によって、メーカに改善を求めましたが、このような要望が現場の職人さんに徹底されず、台湾からの輸入機械の品質向上がなかなか進まない現状に苛立ちを覚えます。