日頃、海外製の小型工作機械を整備・調整していて、つくづく感じるのは、本当に油断も隙もないということです。同じロットでも、再調整が必要な不具合箇所は、個体によって様々で、特定の場所だけをチェックすれば事足りるなどということはありません。妙な言い方になりますが、不具合箇所について、常に新しい“発見”があります。思いもよらぬ部分で手抜き加工がおこなわれていたり、部品の取り付け方が間違っていたり、不適切な部品が代用されていたり・・・。全くよくこれだけ問題が出るものだと感心(?)してしまいます。

海外製品の品質というと精度のことを気にされるお客様が大半ですが、かえって精度については、調整するポイントが決まっているので、作業する側にとっては楽なのです。精度チェックに比べて、諸々の不具合箇所を見つけ出す作業の方がはるかに骨が折れます。そして、私たちの能力の限界を感じることもあります。なぜなら、いわゆる不具合部分の中には、ある程度使用しないと発覚しない類のものが少なからず潜んでいるからです。目視チェックや動作確認では全く問題なさそうでも、お客様サイドで使い始めて間もなく、破損した部品がありました。一見、なんでもない部品だと思っていたので、何故破損したのか、首を傾げてしまいましたが、破損部品を回収して、よくよく調べてみると、海外メーカーがコストを削減するために密かに材質を変更していたことがわかりました。

こうした事例は過去を振り返れば、山ほどあります。でも、あまりにも多岐にわたっている上、スタッフ一人ひとりが日常業務に追われているので、これらの情報を工場内で十分に共有するのは至難の業です。出荷前検査で使用される機種別の検査表にも、過去に発生したクレーム、トラブル、不適合品情報が反映されていますが、それだけでは説明し尽くせない技術的な情報やノウハウがあるものです。
そこで、札幌工場では、毎回テーマや機種を決めて、社内で勉強会を開くようにしています。同じ機種でも、2年位前に整備したものと、最近のものでは不具合箇所や目を光らせるべき部分が変わってきています。最新の不適合品情報、お客様からの苦情・トラブル情報、各種のご意見などを踏まえて、整備・調整をどのように実施するか話し合っています。

今日も、箱を開けたばかりで、全く未整備の旋盤を題材に、意見をぶつけ合い、今後の整備方針を決めました。内容によっては、検査表も改訂する必要があります。日々、こうした努力を重ね、少しでもよい状態にして、お客様に機械をお届けしたいと思っていますが、海外製品の品質のばらつきが激しいので、苦労の連続です。


社内勉強会