「札幌工場作業日誌」がスタートしたのは、2005年4月6日です。
早いもので、丸20年が経過しました。
ほぼ毎月1回のペースで、札幌工場での苦労話をはじめ、工場の歴史、海外の取引先の状況などを中心に、出来るだけ旬の話題を取り上げるように心掛けてきました。

1回目の日誌は「ミニ卓上フライス盤FM100の整備も大変だ」でした。
FM100という海外製のフライス盤に組み込まれていた不良部品や不具合に悩まされていた当時のことが思い出されます。
この機種は、当時の主力製品のひとつでしたが、廃番になって久しく、事実上サポートを終了しております。

2回目は「コレットにも意外な不良品」でした。
直装式コレットのお尻にある吊り棒用のねじ穴の不良に関するものでした。
コレットのねじ穴不良は、今でも時々発見されます。

この年の12月の日誌では、「振止の芯ずれ」を取り上げました。
固定振止の3本の爪の中心と旋盤の芯との間にある数ミリのズレを修正するという話でした。
この当時の“ズレ”は可愛いもので、数年前には見るも無残なほど爪がずれている固定振止が見つかったことがありました。
こうなっては修正不能です。
即ち、当時よりも品質が悪化しているのです。

この20年間で、市場を取り巻く環境は大きく変化し、輸入される海外製品の価格も大幅に上昇しています。
それにもかかわらず、品質があまり改善されていないことに愕然とさせられます。

不適合品との格闘はこれからも続くのでしょうか。


修正不能の固定振止