寒さに慣れているとはいえ、やはり今年の札幌は例年に比べて、寒さが厳しいようです。
こんな時期にも、海外から多くの旋盤・フライス盤が到着します。

先日札幌工場で受け入れた海外製工作機械は、寒さのせいで防錆剤がカチカチに固まっていました。海外の防錆剤は、日本で仕入れているものに比べて品質に難があるようで、色も赤黒く、見た目がグロテスクです。

付着した防錆剤をきれいに取り除かないと、きちんとした整備が行えません。ところが、これが相当な重労働です。苦労して防錆剤を全部取り除き、各種の整備作業が終わると、新たに国内調達の防錆剤を塗布し直して完成となります。

海外のグリースの品質については、可もなく不可もないようですが、塗布の仕方や量に違いがあるのか、軸受け部分に固着している場合がよくあります。特に冬場はそれが顕著です。
このような状態のまま、電源スイッチを入れても、機械がうまく作動しないことがあります。
固着したグリースは、出荷前の整備作業や試運転を通じて、段々こなれてきて、スムースに回転するようになります。

寒さとはあまり関係はありませんが、オイルバス方式のギア駆動タイプの機種に使われている潤滑油にも注意しなければなりません。コスト削減の一環なのか、海外の機械には、あまり品質のよい潤滑油が使われていないように思います。潤滑油も、国内調達品に入れ替えた上で、整備に取り掛かります。

オイルに関係する作業は、機械の精度や性能に直接影響するところではありませんが、特に冬場には手間のかかる作業になっています。

 
赤錆のように見えますが、防錆剤です。