かなり以前に、街の中華料理屋に入った時のことです。
テーブルが2つ、あとは5~6人用のカウンタがあるだけの小さな店でした。
夜だったので、麺類や定食のほか、居酒屋メニューが出ていました。
カウンタに座り、ビールと居酒屋メニュー3品を注文しました。

すっかりほろ酔い気分になり、最後にライスを頼んだのですが、そこでひと悶着が起きました。
店員さん曰く、「ライスを単品で出すことはできません。」「ライスをご希望でしたら、定食にライスが付きますから、定食を頼んでください。」

この店のメニューには、単品のライスは記載されていませんでした。
しかし、定食でライスが付くなら、単品でもライスが出せそうなものなのに、店員さんは「ライス単品は出せない」の一点張りでした。

その様子を見かねた店主が、最終的にはライスを出してくれましたが、釈然としませんでした。

実は、最近海外の仕入れ先とのやり取りで、これと似たような事例が発生したため、中華料理店での出来事を思い出したのです。

海外の取引先に、スペアパーツとして、三爪チャック用のハンドルを発注したところ、「ハンドルだけの提供は不可。三爪チャック本体とのセットで買ってほしい」との回答が来たのです。
三爪チャックの場合、爪だけの販売は原則として不可です。
理由は精度の保証ができないからです。
でも、ハンドルに関しては、精度の問題とは無関係なので、この回答には首を傾げました。

弊社で扱っている商品でもセット売りを原則としているものはたくさんあります。
でも、セット品の一部のみをご希望のお客様に対しては、出来るだけ柔軟に対応させて頂いているつもりです。
もちろん、長めの納期を頂いたり、価格面で割高になったりすることはあり得ます。
さすがに、技術的な理由により、スイッチの部分品や基板の素子のみを単体で販売するのは難しいのですが。

海外の取引先を取り巻く市場環境も、あまり芳しくないのでしょうか。
最近、先方の態度に余裕が見られないのが気になります。
取引していて、不可解な経験をすることが多くなりました。

不可解といえば、つい最近、輸入機械に不適合品が見つかり、海外の製造元にクレームをつけたところ、驚くべき“仕打ち”を受けました。
これについては、稿を改めたいと思います。