海外から輸入する部材や機材について、入荷と同時に受入検査を実施していますが、最近の傾向として、よほど注意してかからないと見落としてしまうような不適合が多くなったような気がします。

例えば、回転センタの不良です。

見た目はきれいで一見問題なさそうなのですが、実際にセンタを回してみると、ゴツゴツと引っ掛かるようなところがあって、スムースに回転しないものが半分以上みつかりました。
検査では、入荷したすべてをひとつ一つ手作業でチェックし、合否を判定しなければなりませんが、回した時の感触が“微妙”な個体もあり、判定に大いに悩むケースが増加しています。
かなり神経を使います。

同じようなことはドリルチャックにも当てはまります。
チャックハンドルを回してみると、固くて開閉できない個体がいくつかみつかりました。
全数チェックは疲れます。

センタの話題にもどると、固定センタでは、同じロットなのに明らかに異なる種類のセンタが混じっていました。
加えて、先端が欠けているものがありました。
社員の老眼が進んでおり、うっかりすると見落とします。

ローレットでは、指定したサイズとは異なる駒が取り付けられている個体がありました。
駒のサイズは違っても、使用できないわけではないのですが・・・。

フライス盤では、全体の仕上がりは良好で、回転テストもOKだったので、安心していたら、ハンドルに取り付けられているマイクロメータの目盛が違っているものがありました。

さらに、よくよく見てみると、オイルゲージが逆さまに取り付けられているものが見つかりました。

旋盤の四爪チャックで、爪が動かないという驚くべき不適合品が出ました。

マシンスタンドに目を転じれば、同じロットなのに、扉のデザインが異なっているものが見つかりました。
ちょうどデザインが変更になった時で、新旧のスタンドが混在して入荷したらしいのです。
特に不適合というわけではないのですが、あまりうれしくはありませんでした。

海外から入荷する部機材は相変わらず「何でもあり」の状態で、あまり進歩していないように感じます。
一部の社員は「検査疲れ」を起こしています。


固定センタ先端の欠け