海外の取引先の中には、頼みもしないのに定期的に試供品を送りつけてくる会社があります。送られて来るのは測定器具関係が多く、私たちが取り扱っている商品とはやや趣を異にしますが、とにかく商売熱心で、積極的にいろいろなものを送ってきます。そして、1週間くらい経過すると、使ってみた感想を教えろ、どうだ?いい商品だろう、特別価格を出すから買わないか、などと催促のメールが連日入ってくるようになります。工場でも試しに使ってみたりしますが、ごくありふれた商品で、特長もなく、どれもこれもパッとしないものばかりなので、お断りするのにひと苦労です。一例を挙げれば、デジタル式のノギスなどは今までに、何種類も送りつけられてきましたが、残念ながら品質的に不安定なものばかりです。時々誤作動を起こして、表示パネルが異常点滅したり、文字化けしたりして、どうもまともな商品ではないのです。
私たちの経験上、海外から輸入する機械に搭載されている電装品の品質が、国産品に比べて劣っているのは否めない事実です。このため、弊社も様々な自衛手段を講じており、ある程度の効果は出てはいるものの、まだまだクリアすべき課題が多く、アフターサービスでいろいろ苦労しています。ですから、このようなノギスをみても驚くことはないのですが、試供品がこれではあまりにもオソマツという気がします。
それでも気を取り直して、工場でいろいろ試してみると、一番ひどい部類に属するノギスでも、10回のうち5回くらいは正常に作動することがわかりました。自分たちで使うのなら、そういう前提で誤魔化しながら使いますが、お客様からお金を頂いて販売すべきものではありません。ということで、今これらのノギスのうち比較的動きが安定しているものを東京の寿貿易のショールームで保管しておりますが、いずれ不燃ゴミとして廃棄するしかなさそうです。ヤレヤレ。誰か引き取ってくれませんか(笑)。
- 投稿タグ
- 札幌工場あれこれ