弊社では、どんなに古くても、自社で販売した機械については可能な限りアフターサービスに努めるというのが基本ポリシーになっています。そのため、30-40年前に販売した機械の修理やスペアパーツの供給を依頼されることが度々あります。部品があれば販売しますし、可能と判断すれば工場で修理もします。
でも、年々部品の在庫は減り続けますので、修理したくとも出来ないというケースが増えてきました。特に20年以上前に販売した機械については、最早入手不可能となっている部品が出てきています。自社で作れる部品については、いまでもアフターサービス用に製作しています。先日も、初代のL943旋盤の一部のスペアパーツを作っておきました。初代L943も、製造を終了してから14-5年は経過していますから、わざわざ作り置きする必要はないのかもしれません。事実、そのような古い部品については、一定の期間が経過すると廃棄処分して、その後は一切アフターサービスに応じないという会社もあると聞いています。でも、長年使い慣れた機械を、たった1個の部品が手に入らないために手放さざるを得なくなるお客様の気持ちを考えると、なんとかしてやりたいと思うのが人情です。ドイツやスイスでは、型式の古い機械でもきちんとアフターサービスを行うという良き伝統が残っているようです。スイスのある工作機械メーカーでは50年前に販売した機械の部品を今でも計画的に製造し、在庫として保有しているそうです。日本の常識では考えられないことです。弊社はこのような会社の足元にもおよびませんが、私たちも出来るだけのことはしているつもりです。

最近、アフターサービス部品の確保で困ることは、廃業する協力会社が増えていることです。件の初代L943も全ての部品を札幌工場で製造していた訳ではなく、道内はもとより関東や関西からも部品を調達していました。しかし、これらの協力会社が消えていき、入手ができなくなった部品が出てきています。やむを得ず、別の業者をあたったり、代替品を探したりしますが、思うようにいかないケースが出るようになりました。
以前、古い旋盤用の部品を、ある業者さんから苦労して調達した時のことです。納品に来た業者さんに「次もお願いします。頼りにしてますよ」と声をかけましたが、彼は曖昧な返事をしたまま、帰って行きました。最近、必要があって、その業者さんに電話をしましたが、結局つながりませんでした。廃業したようです。

ところで、新しい機械の納入に伴い、お客様から、古い機械の引き取りや廃棄処分を依頼されることがあります。そんな時に、引き取った機械から使えそうな部品がないかを探します。でも、数十年使い込まれた機械の部品はボロボロで、使用可能な部品が出ることは稀です。

先日、昭和40年代半ばに販売した古い旋盤の修理を依頼されましたが、部品もなければ、業者も既に廃業していたため、お断りせざるを得ませんでした。あの業者さんが健在なら何とかなったかもしれないと思うと、ちょっと悔しい思いがしました。