アクセサリ類も程度の差はあれ、色々な形で手直しをしています。大分以前に取り上げた振止の芯ズレ調整などは、意外に手間のかかる作業になっていますが、そこまで大がかりでなくとも、小さな修正作業を日常的に行っています。例えばローレットの場合、ホルダに装着される駒を支持する軸が、ホルダ側の穴に極めてきつく取り付けられているため、駒の交換に大変難儀するという問題があります。ローレットはワークに駒を強く押しつけることによって綾目や平目などの模様をつけるものですから、きつくてもいいではないか・・という声も聞こえそうですが、やはり過ぎたるは及ばざるが如し、ものには限度があります。
毎日工場で機械を整備している私たちにとっては、様々な治工具が揃っていることもあり、そのような状態でも駒の交換は難しくはありません。でも、一般のユーザ様が、きつく取り付けられている駒を外して、別な駒に交換するのは相当大変でしょう。と言う訳で、札幌工場では出荷前に、ホルダ側の軸用の穴をほんの少しだけ拡げて、駒の交換が容易に出来るように修正しています。別に高度な技術ではありません。中学生でも出来る簡単な作業ですが、これだけでユーザ様が駒の交換でまごつかなくなります。私たちは常々このような小さな気配りを大切にしたいと思っています。