弊社が取り扱う旋盤、フライス盤には、「Aタイプ」と「MSタイプ」という2種類のグレードがあります。今までは、同じ機種でもAタイプ とMSタイプがあり、多くのお客様より、どこがどう違うのかというお問い合わせをよく頂きました。
これは、弊社HP上でも詳しく説明されていますが、海外製の機械に対する、札幌工場での出荷前検査、整備・調整内容による区分けです。詳細はHPをお読みいただくとして、簡単に言えば、Aタイプは弊社の検査基準に則り入念に整備される機械、MSタイプは重要箇所に限定して整備される代わりに、その分お安く販売する機械ということになります。
因みに、メカニクスシリーズは現在、すべてAタイプ扱いなので、このような区分けは行っておりません。

ところで近年、誠に遺憾ながら、MSタイプを廃止して、Aタイプに1本化せざるを得なくなった機種がたくさんあります。それとは逆に、Aタイプを廃止して、MSタイプに一本化した機種もあります。どうしてこのようなことになったのでしょうか。実は、これらは海外製機械の品質の悪化と密接に関係しています。

海外製の小型旋盤・フライス盤の品質は、年々悪化し続けているというのが私たちの実感です。少なくとも以前より良くなったとはとても思えません。結果的に、私たち札幌工場での整備・調整作業が増えることになるのですが、元々の品質に様々な問題があり、MSタイプのような限定的な整備が難しく、Aタイプ並みの整備をせざるを得なくなっているのです。即ち、MSタイプのつもりで整備していたのに、細かい不具合が多く、あっちもこっちも直しているうちに、Aタイプに近い状態に仕上ってしまったというケースが急増しているということです。もちろん、作業時間もAタイプ並みにかかりますから、とても低価格でお売りできる商品ではなくなります。このような機種については、MSタイプを廃止し、Aタイプのみの販売に1本化しました。
一方、品質に難があり、整備しても、Aタイプ並みに引き上げるのが困難な機種もあります。このような機種は、Aタイプを廃止してMSタイプ専用にせざるを得ません。
MSタイプ専用になる機種で一番問題になるのは、主に外観です。塗装が汚く、細かいキズのようなものがあるため、その修正に結構な手間がかかるのです。機能や精度については、MSタイプといえども、弊社の基準に従ってきちんと整備していますから、実用上は全く問題がありません。外観のお化粧直しに時間をかけるくらいなら、機能や精度だけをきちんと仕上げた上で、MSタイプとして低価格で販売した方が、お客様にとってメリットが大きいというのが、MSタイプに一本化した最大の理由です。
いずれにしましても、MSタイプだからと言ってひどい状態のまま出荷するなんてことはありえません。もし、機能や精度について、私たちの手に負えないレベルの機械であれば、取扱いを中止するでしょう。

先日、あるお客様が、MSタイプの限定的な整備とは、簡単な目視チェックや付属品の数量チェックだけだと誤解しておられたので、大変驚きました。MSタイプといえども、それなりに精度調整は行いますし、機能的な面にも十分気を配って整備しております。
かつて出荷したMSタイプで販売した機種の中には、上記のような事情から、Aタイプと遜色がないものも含まれていたはずです。
Aタイプは勿論のこと、MSタイプでも、他社様の安売り品とは一線を画していると自負しております。