今年もあと僅かとなりました。
この1年を振り返ってみますと、全体に景気が悪いせいなのか、中古品や安売り品を購入されたお客様からの様々なご相談が印象に残っています。
結論から申し上げますと、これらのご相談について、札幌工場できちんと対応できた事例はごくわずかで、お客様との間で折り合いがつかなかった案件が殆どでした。
弊社が手掛けた旋盤・フライス盤の中古品を入手された方々からのご相談内容の多くは、スペアパーツの提供、機械の再生・精度再調整の依頼です。
まず、一番の問題はやはりコストです。
札幌工場での整備・調整にはそれなりの費用がかかります。
高額なスペアパーツもあります。
新品の価格も、円安や部材の高騰などにより割高になっていますので、新品を購入するよりは出費を抑えられるとはいえ、大幅に安く済むわけではありません。
お客様から送られてきた現品の画像を検討し、ご要望をお聞きした上で、まず予想価格を概算で提示させて頂くのですが、その時点で、再整備を断念されるお客様がほとんどです。
スペアパーツも高ければ、ご購入を見合わせるケースが少なくありません。
最近の傾向として、ボロボロで、見るも無残な中古機械が多くみられるようになりました。
また、既に廃番になって久しく、工場に部品が残っていない機種もありました。
これらのケースでは、誠に遺憾ながら、対処のしようがなくお断りするしかありませんでした。
見た目が非常にきれいなのにつられて、つい購入してしまった中古のフライス盤が、全く動かない代物だったので、動くようにして欲しいというご依頼もありました。
こちらは、機械を工場でお預かりして動くようになりました。
中古ではないのですが、ネットで格安の新品を購入したが、使い物にならない機械だったので、札幌工場で整備をお願いしたいというお話もありました。
弊社の取扱い機種と外観が似ているという理由で、連絡をしてこられたようですが、やはり全く同じではなさそうです。
責任が持てないのでお断りしました。
こちらは商売ですので、コストを無視して、安く整備を請け負うことは困難です。
でも、着地点が見つからなかったひとつ一つの事案を思い起こすと、非常に複雑な気持ちでいっぱいになります。
お役に立てずに申し訳ありませんでした。
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今年一年、お世話になりました。
どうか皆様、よいお年をお迎えください。