この数か月間、ミニ旋盤に付いている三爪スクロールチャックの品質の悪さに悩まされました。はっきりいえば、このクラスの旋盤に付いている三爪チャックは、あまり高級ではないので、品質もそれほど高いものではありません。それでも、私たちは独自に基準を定め、基準を外れているチャックは修正するなり、交換するなりしています。でも、今年、海外から入ってきたミニ旋盤に付けられていた三爪チャックの精度はあまりにもひどく、修正のしようがない「不適合品」ばかりという事態になりました。

海外メーカーに文句をいい、代わりのチャックを送ってもらっても、結果は同じでした。例によって、海外との間で、不毛な論議が繰り返され、「お前(弊社)の精度の測定方法がおかしい」とか「我が国の精度基準は日本とは異なる」みたいな話になって埒が明かなくなりました。このため、三爪チャックの調達先の変更を真剣に検討しましたが、コストや技術的な課題があり、簡単に行きそうにありませんでした。
(因みに、ミニ旋盤でも、L150やL180Vは高級機種であるため、最初からもっと品質の高い三爪チャックを使用しています。)

仕方がないので、今年の夏のある日、丸一日かけて、在庫している同種の三爪チャック全てを、この海外メーカーの主張する方法で忠実に測定し直しました。結果は、恐れていた通り、彼らの方法でやっても、私たちの基準はおろか、彼らの基準からも大きく外れるものばかりでした。
次に、基準を外れるチャック自体を、何個か分解し、何が問題なのか入念に調べてみました。
細かいことを言えば、あちらこちらに気になる点がありましたが、やはり、一番の問題は爪の研磨が悪いということでした。残念ながら、詳細についてはここで明かすことは出来ませんが、札幌工場でちょっとした治具を考案して、何台かの爪を再研磨したところ、精度が大きく改善しました。それでも、基準を外れる、救いようのないチャックも多く、それらは断腸の思いで廃棄処分にしました。

私たちの調査結果を、件の海外メーカーにぶつけたところ、ようやく納得してくれて、このたび、代わりのチャックが大量に送られてきました。私たちが、それら全てのチャックの精度を測定した結果も良好でした。
一時は、三爪チャックのやりくりに四苦八苦していただけに、やっと枕を高くして眠れるようになりました。