今年最後の日誌では“実名”入りのウラ話をします。
USL5モデル3という小型の旋盤があります。この機種は非常にオーソドックスな旋盤で、機構がシンプルなので使いやすく、トラブルが少ない上、ミーリングアタッチメントを取り付けることにより、フライス作業やボール盤作業が可能な万能工作機械にもなるため、根強い人気があります。
この機械もご多聞に漏れず、ベースマシンは海外製ですが、札幌工場で殆ど全分解に近い形で整備、調整していますので、輸入品扱いをされると、ちょっと抵抗があります。純国産品ではないけれど、“準”国産品と言っても差支えないでしょう。ですから、私たちにとっては、海外からこの機械を“材料”として輸入して、日本で加工しているという感覚です。

実はこの機械、昨年の暮から今年の夏までの間、海外からの入荷が完全に止まっていました。昨年の秋口に海外メーカーに対して、機械の発注をかけたところ、納期を12月末と回答してきたため、それに合わせて準備を進めていました。ところが、年が明けても一向に入ってくる気配がありません。海外のメーカーが納期を守らないのは珍しいことではないので、じきに入荷するだろうと、当初は楽観的に考えていました。しかしながら、3月に入っても全く音沙汰がなく、悶々としていたところに、先方よりメールで、「機械を完成させるメドがたたなくなった」との連絡が入ってきてパニックになりました。理由は、当該海外メーカーの下請け部品業者が倒産したことにより、一部の主要部品が手に入らなくなったためだとの説明でした。
日本国内では、古くから付き合いのある部品屋さんの廃業があとを絶たず、私たちも非常に苦労しているという話を、過去にも何度か取り上げましたが、海外でも同じような問題が起き始めたようです。

「メドがたたない」と言われても、こちらは多くのお客様を抱えているわけですから、「はい、そうですか」と諦めるわけにはいきません。いろいろ手を尽くして、なんとか代替品を製造してくれるメーカーを探しだし、そちらに対して、新たに発注をかけました。それから4か月が経過し、7月の下旬にようやく待望の代替ベースマシンが入荷しました。結局去年の秋口から数えて、約1年待たされたことになります。
でもまだ安心できません。仕様、外観、品質、精度など、確認しなければならない点が山ほどあります。それを、ひとつひとつ丁寧に検証した結果、外観に若干の相違点はあるものの基本スペックは、今までの機械と全く同じであったため、USL5モデル3のベースマシンとして問題なく採用できることがわかりました。

取り敢えず、これにて一件落着ですが、改めて、海外製品を扱うことの難しさを痛感しました。今後、他の海外メーカーでも同様の問題が発生しないとも限りません。弊社ではこのようなリスクを想定して、部品在庫を積み増しするなどの対策を急いでいます。

来年早々、USL5モデル3のベースマシンの次のロットも入荷します。

2016年も頑張ります。
今年一年間、ありがとうございました!


USL5モデル3旋盤