今までも繰り返しお話ししていることですが、アフターサービス用のスペア部品の確保には色々苦労しています。と言っても、最近の機械の部品ではなく、20年以上前に販売した輸入旋盤の部品の話です。この機種は当時ベストセラーとなり、ミニ旋盤の分野で一時代を築きました。製造元の海外メーカーは、とっくに製造を打ち切っており、部品供給にも応じてくれません。本来なら、そんな古い旋盤の部品なら、「なくて当たり前」で済ませることもできるのでしょうが、まだ現役で働いている機械が多いようなので、八方手を尽くして、部品確保に努めてきました。

比較的単純な部品であれば、自社で製造したり外注を活用したりすることが出来ますが、特殊なものになると、外部に求めるしかありません。特に電気部品の場合は、完全に門外漢なので、自社で解決することは極めて困難です。そのようなわけで、以前は、秋葉原あたりで部品を探したり、特別に作ってくれる業者さんを当たったりしたものでした。そして、大量に仕入れて、在庫していました。
これらの部品も、毎月少しづく売れていきます。最初は過剰在庫だと思っていたものも、月日が流れ、気が付いたら、残りわずかというところまで、数量が減ってしまいました。

さて問題は、この部品が完売して在庫ゼロになったらどうするかです。ひところに比べて減ったとはいえ、その部品を求めて、弊社に連絡をしてくるユーザー様はまだおられます。そこで、久しぶりに、かつて特注部品を作ってくれた業者さんを訪ねました。でも、今回はあっさりと断られてしまいました。
「悪いね、あのじいさん死んじゃったんだ。だから作れない。」

以前、その部品を作ってくれた年配の方は、昔かたぎで特殊技能をお持ちの職人さんでした。後継者もいないそうです。
「あの部品を作れるのは、国内ではあのじいさんだけだったんですよ。残念だったね。」

またひとつの時代が終わりました。この部品も売り切り御免とせざるを得ないようです。