メカニクス札幌工場に一番近いJRの駅は、函館本線の苗穂(なえぼ)駅です。札幌駅の隣にある小さな駅です。何人かの社員は、通勤にこの苗穂駅を利用しています。

道外の人にはなじみのない駅だと思いますが、かつては道内有数の貨物取扱駅で、最盛期には20以上の会社の専用線がこの駅から分岐していました。JRの工場が隣接していることもあり、構内は広く、多くの側線があります。
因みに、観光客に大人気のサッポロビール園は、苗穂駅の北側にあります。

苗穂駅の駅舎は80年以上前に建てられました。長年の風雪に耐えてきた駅舎には、昭和の雰囲気が満ち溢れていました。
しかし先月、札幌市が進めてきた「苗穂駅周辺地区まちづくり事業」により、駅は札幌駅方向に300m移動し、このほど立派な橋上駅として生まれ変わりました。新しい駅舎は快適です。加えて、駅の移動により会社までの距離が短くなり、通勤が少し楽になりました。

旧駅舎は取り壊されるそうです。何らかの形で残してもらえたらと思っていますが、JR北海道の厳しい経営事情を考えれば、とても無理でしょう。
昭和30年(1955年)頃まで、雪の季節になると、完成した小型形削盤は馬そりを使って苗穂駅まで運んで、全国に出荷していたそうです。そんな時代も見つめてきた駅舎がなくなってしまうのはやはりさびしいものです。

 
苗穂駅の新旧駅舎