札幌工場の木造建物の奥にひっそりと置かれていた古い秤を処分することになりました。

むかしの「天秤ばかり」で、てこの原理を利用して、物体と分銅(おもり)をつりあわせることにより物体の質量を測定します。

銘板から、戦前に作られたものと思われますが、尺貫法でもメートル法でも測定可能な秤です。

実はこの秤、21世紀に入っても札幌工場では“現役”で使われていました(!)。
ある日、戦前からこの工場で働く最古参の社員が、この秤で測定していた姿を思い出します。
2002年頃だったでしょうか。

当時から札幌工場にも、電子式の秤がありましたが、その社員はなぜかその時、この古い秤を使っていたのでした。
何を測っていたのか、全く記憶にありません。

今では珍しい秤だと思ったので、札幌市内の骨董屋さんに買い取りの相談をしたのですが、意外にも、骨董的な価値はあまりないということで、鉄くずとして処分することをすすめられました。
結局、このような秤は骨董品として結構出回っていて、珍しいものではないようです。
(高く売れるかと思ったのですが、残念です!)

試しに、社員がこの秤で自分の体重を測ってみました。
測定の結果は、本人の健診時の体重と同じ76kgでした。
案外、正確に測れるものですね。
まだ、使えそうです。

近日中に、他の鉄くずと一緒に、業者さんに引き取ってもらう予定です。
最後は、80年以上工場で働いてくれた秤に感謝しつつ、見送りたいと思います。