年明けのある午後、社員を集めて札幌工場でDVDの上映会を実施しました。
写っているのは昭和の札幌工場です。
今から35年前(1987(昭和62)年頃)、古い事務所と木造工場の一部を取り壊し、鉄骨造りの新工場を建設しました。
着工前に、古い工場の姿を映像で残しておくため、わざわざビデオカメラを購入し、取り壊し前の工場を撮影したことがありました。
その時のビデオテープは長い間行方不明になっていたのですが、昨年秋に先代社長の自宅で発見されました。
テープの保存状態はあまり良くなく、また既にビデオデッキも処分してしまって再生できません。
そこで専門業者に依頼してビデオテープを修復しDVD化しました。
修復したとはいえ、見苦しい部分が多々ありました。
でも当時の工場、設備、製品、そして懐かしい当時の社員が映し出され、興味が尽きませんでした。
その頃輸出していた小型旋盤の組み立て風景、出荷前の形削盤の試運転シーンなどもありました。
形削盤は修理品かオーバーホール品かも知れません。
当時の札幌工場は、鬱蒼とした大木が敷地内に生い茂り、まるで森の中に工場があるような雰囲気でした。
地元産の札幌軟石を使った石蔵もありました。
その後も札幌工場では数回、木造の建物を取り壊し、新しい建物を建設してきましたが、木造の工場自体は今でも一部残っています。
使い勝手が悪いので、残った木造工場も将来的には取り壊すつもりでいましたが、最近少し考え方が変わってきました。
使われている木材は道産のカラ松材で、今では絶対に手に入らない貴重なものです。
いつか会社を訪れた建設会社の人が、残した方がいいと言っていたことも思い出しました(※)。
壊さずに、木造工場をなんとかうまく残せないものか思案中です。
※札幌工場作業日誌「古い木造工場」2013.01.17