私たちが扱っている小型工作機械類は、一般の工作機械に比べれば市場規模が小さく、大量に売れるものではありません。

主要な部材や機材は海外から輸入していますが、供給があまり安定せず、通常でも発注から札幌工場入荷までのリードタイムが半年以上かかる場合が少なくありません。
そのため、常に意識して、多めに在庫を確保するように努めてきました。
在庫を多く持つことは、経営的にあまり良いとは言えないでしょう。

そんな状況をさらに悪化させたのは、3年にわたるコロナ禍です。
御多分にもれず、全体的に注文が減り、在庫がなかなか減りませんでした。
ただ、ムラがあり、比較的コンスタントに売れ続ける商品がある一方で、全く動かなくなった商品もあります。

コンスタントに売れる商品については、追加で部材を仕入れる必要がありました。
ところが、ただでさえ長いリードタイムがさらに延び、或いは、海外での製造が打ち切られ、思い通りにモノが確保できずに苦労してきたことは、ご承知の通りです。

昨年の終わりに、なかなか売れずに在庫していた機械が出荷されました。
これは、コロナ前に仕入れたロットの中の1台です。
工作機械ですから、腐るものではありません。
電子基板も使用していない、極めてシンプルでオーソドックスな商品です。
錆などもありません。

ただ、組み込まれている部材のなかに、海外メーカの製造年月日が印字されているものが含まれていました。
もちろんコロナ以前の日付です。
きちんと札幌工場で出荷前の整備を実施し、検査に合格した商品なので、品質的な問題はないのですが、お客様に、中古や型落ち品と誤解されやしないかと心配になりました。

ちょっとしたことですが、コロナ禍の影響は、思いもよらぬところにも潜んでいます。