数か月前に、テレビドラマの製作会社さんから東京の事務所に電話がありました。

弊社の小型工作機械を、春から放送される新ドラマの小道具として使用したいとのこと。
ドラマの中で実際に機械を動かすわけではないので、余剰の機械を借用したいという趣旨でした。

急いでいるようで、機械を事務所まで引き取りに来たいとのこと。
しかしながら、東京の事務所には貸し出し可能な機械がなく、札幌工場であれば、お貸しできる機械があるとお答えしたところ、時間的、距離的に困難だとのことで、結局実現には至りませんでした。

それから暫くして、あるドラマを観ていたら、弊社のミニ卓上旋盤が出ていて、女性の出演者が操作しているシーンがあったと、工場の社員が教えてくれました。
この社員はそのドラマを毎回録画しており、会社に持ってきて見せてくれました。

銘板などが映っているわけではありませんが、色や形は確かに私たちが手掛けた旋盤でした。
でも、このドラマは、先ほどの製作会社から聞かされていた番組ではありません。
放送局も異なります。

ドラマの問題のシーンでは、ミニ卓上旋盤の他に、ひと回り大きい小型旋盤用のマシンスタンドも、さりげなく置かれているのに気付きました。
これも私たちが扱っているものによく似ていました。

その時、ふと思い出したことがありました。
もう10年以上前になりますが、テレビドラマで使用するのだという理由で、マシンスタンドだけをご購入されたお客様がおられました。
もしかしたら、マシンスタンドはその時のものではないかと感じましたが、記憶があいまいで確証はありません。

弊社で扱っているようなミニ旋盤やミニフライス盤は、一般にはあまり馴染みがないと思われます。
今回、どのような経緯で弊社のミニ卓上旋盤が採用されたのかは皆目見当もつきませんが、全国放送のテレビドラマに登場する日がくるとは思いもよりませんでした。
少しは一般的な認知度が上がったと考えてもいいのでしょうか?