海外から輸入した旋盤やフライス盤を整備して品質アップを図るのに、各種の検査用シートの活用が有効なことは論を待ちません。しかしながら、海外製品は、常に品質にばらつきがあり、どこに問題が潜んでいるかわかりません。検査用シート上に全く記載されていない(即ち、検査対象となっていない)箇所にも不具合が隠されている場合があります。これらを出荷前に発見し、未然に防いでいるのは、作業担当者が長年の経験で培った勘や知恵です。ある作業担当者は、回転テスト中に発生した、かすかな音の変化から、内部ギアの不良を発見しました(FL350E)。また、別な担当者は、いつものように各部のハンドルをチェックしている時に、マイクロメータカラーの目盛の刻印の下に、別な目盛が2重に刻印されていることに気が付きました。よくよく見ないと気がつかない程度のものですが、調べてみると、海外メーカが古いマイクロメータカラーの刻印を消して、その上から別な刻印を施したものであることが判明しました。最初「なにか、いつもと違っている。どこだろう?」とその担当者は感じたといいます(USL5-2)。
弊社の旋盤・フライス盤は、検査用シート+職人の技・経験・勘・知恵の上に成り立っているのです。