弊社で取り扱っているフライス盤のいくつかには、テーブルの長手方向(X軸)などに、自動送り装置が取り付けられる機種があります。その代表格が自動送り装置を標準装備したM20Aです。この機種は発売を開始して以来12年以上にわたりロングランを続け、多くのユーザの皆様にご愛用頂いております。M20Aに搭載している自動送り装置は品質的に安定しており、大きなトラブルも発生していません。他にも、M28A, M45A, M0(V)12などにもオプションで自動送り装置が取り付けられます。M0(V)12の自動送り装置は、音も静かな上、送りも極めて軽快です。いずれにせよ、自動送り装置が取り付けられる機種は、弊社の製品ラインナップの中では、比較的大きな機種に限られます。

もう少し小さな機種にも自動送り装置を取り付けられないものかと常々思っていますが、なかなかうまくいっていないのが実情です。今までにミニ卓上フライス盤用の自動送り装置のサンプルを、海外より数台取り寄せ、いろいろ試してみましたが、とてもお客様にご提供出来るレベルにあるとは思えません。最初のサンプルは、ユーザサイドで取り付けが可能なアタッチメントとして入荷しましたが、例によってそのままでは機械本体に装着することが出来ず、ある程度の加工が必要でした。肝心の動きについては、左から右方向への自動送りは出来ますが、逆方向(右から左)に戻すことが出来ない“半自動”送り装置でした。その上、ボリュームを廻しても最初のうちは作動せず、途中までボリュームを上げると急にモータが回りだすので、とても使える状態ではありませんでした。海外のメーカに改善を依頼し、2年後にその改良品を入手し、再び実験してみました。さすがに今回は、逆方向に戻せないなどということはありませんでしたが、送りスピードの調節が難しく、極端に遅いか、極端に速いかのどちらかになり勝ちでした。改良品を海外メーカに送り、このサンプルが正常なのか、問題があるのかチェックさせましたが、メーカの見解としては「なんら問題がない」とのことでした。ただ、品質が完璧ではないことも匂わす微妙な回答でした。
安定した品質のミニフライス盤用自動送り装置の、一日も早い登場を期待している今日この頃です