1970年前後に輸入販売したオーストリー製のミニ旋盤を、40年以上に亘り大切にお使い頂いているユーザー様がおられます。いまでも、そのようなユーザー様から、愛用のミニ旋盤の修理のご相談がときどき舞い込んできます。なにしろ40年前の機械です。修理をしようにも、それを製造した会社は既になく、新たに部品を調達することができません。弊社の倉庫には、このような古い機械のスペアパーツも保管されていますが、在庫を売り切ってしまっている部品も少なくありません。「生憎部品がなく、修理できません」とお断りしてしまえば簡単ではあります。でも、ユーザー様の気持ちになれば、「この部品さえあれば、まだまだ使い続けることが出来る。それに40年も使っていて、手足の一部になってしまった旋盤を、今更手放すことはできないよ」ということだと思います。
そこで、修理の相談を受けるたびに、どのような方法がとれそうか、知恵を絞ることになります。純正部品そのものが残っていれば、即問題解決。でも部品がなければどうするか・・・・?ひとつは、純正品ではないのですが、別の機種用の類似部品や市販の部品が流用できないか検討します。その場合は、部品の改造を伴いますし、直っても形が少し変わってしまうこともあります。でも機能の確保はできます。それもダメなら、似たような部品を作ってしまうという選択肢もあります。但し、部品を新たに作るとなれば、小さなパーツでも予想外にコストがかかるのが普通です。運悪く、機械の心臓部ともみなされる重要部品が破損していれば、最早修理は不能です。そのような場合でも、破損した部品自体を手直しすることにより、ある程度使える機械に蘇ることがあります。毎回、悩みながら、最適の解決方法を考え、対処しています。
一見大変な作業と思われるかも知れませんし、事実大変な面もあります。でも、作業を受け持つ私たちにとっては、通常業務では味わえない“新鮮な”作業を経験する機会でもあり、それなりに修理作業を楽しんでいます。
こうして、曲がりなりにも古い旋盤の修理が出来た時の満足感は格別です。


最近修理したミニ旋盤