国際規格の品質マネジメントシステムISO9001では、「不適合製品の管理」という規定があります。不適合製品とは簡単にいえば不良品。お客様に絶対に引き渡してはならない製品のことです。ISO9001では、このような不良品を識別・管理し、それらを最終的にどのように処置するかを定めています。弊社の例でいえば、不良品を海外メーカーに返品する、廃棄処分にする、手直しして良品として販売する、キズモノとして安売りする・・・などの方法が考えられます。また、不適合品が出ると、ひとつひとつ文書化して記録として残さなければならないので、その手間はバカになりません。実をいえば、海外メーカーの製品を輸入して検査をすると、ただの1台も完全なものはありません。精度が悪いとかいう以前に、とんでもない部品が取り付けられていたりします。誠に恐るべき光景です!事情を知らない外部の人がこの状態を見たら卒倒してしまうかも知れません。厳格にISO9001の規定を運用すると、輸入した機械全てを不良品として返品するか、廃棄するしかなくなります。つまり、不適合製品の発生率が100%ということになります。それでは元も子もありませんので、弊社の工場である程度手直しが出来るものは取りあえず「合格品」、手直しが不可能に近いもの、手直しに相当な工数がかかるもの、或いは安売りも出来ないレベルの製品のみを不合格(不適合)品として識別せざるを得ません。例えば、主要な鋳物部品に亀裂が入っている、主軸のテーパが合っていないなどのケースが出てくれば、お手上げです。即「不適合!」です。私たちが自信をもってお奨めするAタイプやMSタイプの各機種だって、最初から完全な製品だったわけではありません。弊社工場で「手直し」することにより、商品としての命を吹き込まれ、皆様のお手元に届けられるレベルに引き上げられるのであって、もともとは不良品だったのです。定期的に会社を訪れるISO9001の審査員の先生も、不適合製品の状況を聞いて絶句することしきり。とてもこの世のものとは思えないという印象を持つようです。
でも、このような不適合品と日々格闘することによって、弊社の技術力がアップすると思えば、100%不適合品も悪いことばかりではないのかも・・そうだ、そう考えて、明日も頑張ろう!


最近もこんな不良部品に出くわしました