時々お客様より、「(弊社の旋盤・フライス盤を使って)ステンレスやチタンが削れますか」という質問を受けます。
これらの素材は難削材と呼ばれ、プロの旋盤工やフライス工でも敬遠する人がいるようです。
でも、このような素材でも一定の条件の元でなら、弊社の各機種でも、それなりに削れるのではないかと考え、実際に切削実験を行い、結果を検証してみることにしました。
材料屋さんに問い合わせると、ステンレスやチタンにもいろいろ種類があるようなので、それらのなかから、もっとも標準的と思われる素材を選びました。
その結果、ステンレスは303というもの1種類、チタンは純チタンと6-4チタンの2種類を購入しました。
テストでは、弊社で取り扱っている機種の中で最も小さい機械を使い、切削工具も弊社で販売しているものに限定するという条件を付けました。
旋盤による切削実験では、FL200Eとハイス(HSS 6mm角)および超硬付刃(6mm/10mm角)バイトを、フライス盤による切削には、FM80Eとエンドミル(HSS2枚刃 径10mm)および簡易ボーリングヘッドを使いました。
仮に、一番小さな機械で切削可能なら、上位機種でも可能といえますし、弊社の普通の切削工具できれいに仕上がるのであれば、市販の様々な切削工具を利用すれば、さらに多様な作業が可能になるはずです。
実験では、それなりに試行錯誤がありました。
でも、ステンレスについては、部品製作などで切削した経験があったので、比較的簡単に最適の切削条件を見つけることが出来ました。
一方、チタンについては切削経験に乏しいこともあり、コツを掴むのに苦労しました。
チタンは予想以上に硬く、旋盤作業の場合は、HSSバイトを使うとかなりの高温となり、うまく削れませんでしたが、超硬を使えばうまくいくことがわかりました。
結論としては、ステンレスはHSSで十分切削可能、チタンについては、旋盤作業なら超硬で切削可能(HSSは不可)、フライス作業ならHSSでも超硬でも工夫次第できれいに削れることがわかりました。
要は、過度の切り込み、過度な送りを避け、ゆっくり削ることです。もっとも、冒頭にお話ししましたように、ステンレス、チタンには様々な種類があるので、他の種類のものでも同じように削れると断言することは困難です。
でも、一般論としては、ステンレス、チタンもきちんと削れるということを、今回の実験を通じて、はっきり検証することが出来ました。

ステンレス303
ステンレス303
純チタン
純チタン
6-4チタン
6-4チタン
難削材切削結果