旋盤やフライス盤の主要部分は通常、鉄鋳物で作られていますが、サイドカバー、ヘッドカバー、スプラッシュガードなど鉄板同士を溶接して作られている部分も存在します。一部の機種ではカバーがプラスチック製に変更されているものがありますが、今回は鉄板製の場合のお話です。海外から入ってくる製品をチェックしてみると、溶接部分がお粗末なものをたまに見かけます。溶接個所についても、かなり注意してチェックしているつもりですが、たまに見落とすことがあり、社内で問題になったことがあります。例えば、先日、あるユーザ様に旋盤を納入しましたが、お客様サイドで開梱したところ、スプラッシュガードの溶接が外れていたという指摘を受けました。出荷前検査では全く気付かなかったのですが、一部のスプラッシュガードの溶接がかなりいい加減で、どうやら、輸送途上に振動で溶接が外れてしまったというのが真相のようです。お客様に平謝りして、しっかりしたスプラッシュガードに交換させて頂いたのは言うまでもありません。

溶接部品は一見すると、皆きちんと溶接され、その上からきれいに塗装されているようにみえます。目視チェックではもちろん合格です。ところが、少し手でゆすってみると、簡単に溶接が外れてしまう場合があります。よくこんな状態で海を越え、溶接が外れずに日本に辿りついたものだと感心(?)してしまいます。よくよく見てみると、わずか数か所だけを溶接し、あとはパテできれいに化粧(=誤魔化)しているだけなのです。
検査基準をきつくして、いままでより強くゆすったり、力をかけたりしていますが、それが原因で溶接が外れてしまい、社内で溶接をやり直したこともあります。全く、輸入機械には油断もスキもありません。