私たちは機会あるごとに、旋盤およびフライス盤の新製品候補を海外から輸入し、工場でその品質を様々な角度から検証し、商品化の可否を判断しています。社内では、このような検証作業のことを品評会と称しています。

私たちと新たに取引を希望する海外のメーカにとって、サンプル品はいわばお見合い写真と一緒ですから、比較的良好な品質の機械が送られてくるのが普通です。この品評会で「合格」となれば、出荷前検査方針を策定し検査表を作成します。新商品化のメドがつくと、いよいよ第一回目の発注となります。手元にあるサンプル機を眺めながら、これから始まる新しい仕事にワクワクしながら数カ月、最初のロットの入荷を待ちます。そして、ついに工場に荷物が到着。コンテナ車の扉が開かれ、新製品が工場内に運び込まれます。
そしていよいよ開梱チェックが始まります。期待に目を輝かせていた社員たちでしたが、作業が進み、目の前に姿を現わした機械を前にして、表情が曇りだしました。「あれ?」「何か違う」…そして、事態を理解するにつれ、期待が落胆に変わっていくのです。梱包の底板に大きな亀裂が入っている、サイドカバーが曲がって取り付けられている、塗装があちらこちら剥げている、シールが斜めに貼り付けてある、スイッチの形状がサンプルと異なる、チェンジギアの数が足りない…。「これでは出荷前検査にものすごく手間がかかるな」
そして、これからの悪戦苦闘の日々を思うと、沈鬱な気持ちになるのです…。
品質が良かったのはサンプルだけか、「お見合い写真」に騙された…トホホ (つづく)