お客様からの依頼により、日常的に様々な形で、販売した機械の修理やメンテナンスなどのアフターサービスを実施しております。比較的単純な故障なら、部品をお送りし、お客様サイドで交換して頂きますが、複雑な内容なら、機械全体または一部を札幌工場に送り返して頂いた上で、腰を据えて修理させて頂いています。また、状況によっては、出張修理も実施しています。
いずれにしましても、修理についても手を抜かず、丁寧に対応させて頂いております。
このようなアフターサービス作業も長年続けていると、いろいろな経験をします。

故障した機械を札幌工場でお預かりして修理することを、私たちは「入院」と呼んでいます。お預かりする機械は「患者さん」ということになります。
故障や不具合箇所がある程度特定されている場合は、機械全体ではなく、一部分のみをお預かりします。いずれにせよ、お客様にとっては、機械を梱包して札幌工場にお送り頂かなければならないので、いろいろご不便をおかけすることになります。その点については、いつも申し訳ない気持ちでおります。
でも、工場には修理に必要な設備やスペアパーツが揃っていますので、作業がスムーズに進み、確実に直せます。ですから、機械の修理には「入院」が近道なのです。

お預かりした機械で苦労するのは、お客様が指摘する不具合現象が工場で再現されないケースです。
ある時、主軸に回転ムラが出るとの理由で持ち込まれた機械を、工場で動かしてみましたが、回転ムラもなく全く正常で、どこが問題なのかわかりませんでした。
またある時は、「作業中に突然機械が停止することがある」とのことで、問題の機械が持ち込まれましたが、全く現象が再現できませんでした。試しに、重切削作業まで実施して、機械に負荷をかけてもみましたが、それでも機械が停止しませんでした。何をどうやっても現象が出ず、完全にお手上げでした。
大半の「患者さん」は、「入院」により“全快”しますが、現象が出ない場合、機械全体の再点検を実施し、特に問題がなければ、そのままお返しすることになります。こんな時は、やはり何となく後味が悪いものです。
数年前に、主軸が変形して精度が出ないという理由で、機械を工場で受け入れたことがありました。主軸が変形するというトラブルはあまり聞いたことがなかったので、半信半疑で受け入れました。調べてみると、主軸が変形していたのではなく、主軸に装着されていた保持具に不具合があるということがわかりました。主軸には全く問題がありませんでした。それなら、手間をかけて機械自体を「入院」させる必要はなかったわけで、本当に悔やまれる事例です。

「入院」による修理の他に、出張修理に出向く場合があります。時には、札幌からはるばる九州方面にまで出かけたこともあります。ただ、残念ながら、私たちの力不足で、大手メーカーのように、電話一本で迅速にユーザー様を訪問するようなことは困難です。
出張修理において私たちが経験した一番苦い思い出をひとつだけご紹介します。
かなり以前のことですが、機械の調子が悪いとのことで、お客様を訪ねたところ、調子が悪いのは他社様の機械で、私たちが販売した機械は正常に動いていたということがありました。事前に、電話でいろいろ状況を確認し、万全の態勢で出張したのに、お客様の勘違いで、私たちに修理の依頼がきてしまったのでした。このお客様は他社様の製品も含めて、旋盤やフライス盤を何台も所有していたので、どの機械が私たちのものかわからなくなっていたようです。いまは画像や動画を気軽にメールでやりとりすることが出来る時代になったので、訪問前に、間違いなく私たちの製品かどうか確認するのも楽になりましたが、ネットのない時代には、このような笑えない話が起きました。

アフターサービスについて最近増えているのは、他社様の機械に対する修理依頼です。でも、繰り返し申し上げているように、他社様の機械は形が似ていても、使われている部品が異なっていたり、仕様が違っていたりするケースが多く、原則として修理をお断りしています。やむを得ぬ事情で、弊社にコンタクトされるのでしょうが、他社様の製品の修理等は、誠に遺憾ながらご勘弁頂いております。