コロナ、ウクライナ、上海ロックダウン、そして、それらに起因する部材の欠品・供給打ち切り、価格高騰、さらに急激な円安が重なり、毎日苦労しています。
前代未聞の悪条件が重なり、機械本体・アクセサリ・各種のスペアパーツの一部が長期欠品状態に陥っており、お客様に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。
何ヶ月か前に海外の取引先A社より、欠品になっていた部材がようやく届きました。
フライス盤に使用するものなのですが、これが無いために機械を出荷出来ずに困り果てていたものです。
これで、製品が完成し、出荷出来ると喜んだのですが、直後に、期待は見事に裏切られました。
入荷した部材は、今までのものと仕様が若干異なり、しかも精度も悪く、使いものにならない代物だったのです。
A社の部材は安いのが取り柄で、品質にやや難があり、問題が見つかる度に、改善を申し入れるとともに、札幌工場で手直しをして品質を維持してきたものです。
でも今回は、残念ながら手直し出来るレベルではありませんでした。
A社とは品質について、いままで散々やりとりをしてきたのに、こんなひどい部材を送りつけてきたので、文句をいう気力もなくなりました。
そしてA社との取引を見直す必要があると感じました。
同じ部材は、別の取引先B社からも調達可能なのですが、価格が倍以上に跳ね上がります。
それでも背に腹は代えられないので、新たにB社より部材を緊急調達し、無事出荷に漕ぎつけました。
結局、この部材の調達先をB社に切り替えることに決めました。
ただでさえ原材料価格が上がって大変な時期に、倍の価格のB社製に変更するのは苦渋の決断だったのですが、品質上の問題なので妥協は出来ませんでした。
先月初め、問題のA社からメールが届きました。
「最近注文をくれないけど、どうなっているのか」という主旨。
どう返答すべきか迷いましたが、結局、洗いざらい状況を説明し、こんな品質では取引出来ないと返信しました。
それから数週間後に突然、A社から航空便で大きな小包が届きました。
開けてみると、件の部材が入っているではありませんか!
チェックしてみると全て、仕様も精度も希望通りの良品でした。
無償で代替品を送ってくれたのです。
やれば出来るじゃないか!
国を問わず海外の取引先は、こちらから品質に関する苦情を訴えても、素直に認めてもらえないことが多かったので、今回のA社の対応には非常に驚き、そして感動しました。
国際的な経済状況の悪化に直面し、取引先を繋ぎ止めるために、国を問わず必死なのかもしれません。
豊平川(札幌市内)
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