先日、1本の電話が入りました。
「昔購入したフライス盤から異音がするが対処方法を教えて欲しい」という問い合わせでした。
話を聞いてみると、あまり聞きなれない機種名なので、電話を受けた担当者が、「それは他社さんの機械ではないでしょうか。他社さんの機械のサポートはご勘弁ください。」と返答してしまいました。
脇で電話のやり取りに聞き耳をたてていたところ、どうも異音がするフライス盤というのは、私どもが50年以上前に販売した機種ではないかと気付きました。
他社様の製品ではありません。
慌てて電話を代わり、詳細をお伺いすると、やはり1970年前後に取り扱っていたフライス盤でした。
ただ、社内でその機種を知るものは誰もいません。
見たこともありません。
もちろんスペアパーツ類も一切ありません。
古いカタログが残るのみです。
これだけ長期間、同じフライス盤を使い続けて頂いたことに驚くとともに、感謝に堪えませんでした。
お客様曰く、もう体の一部のようになっていて、死ぬまで使い続けたいとのご意向でした。
そのお気持ちは痛いほどわかるのですが、見たこともない機械なので、適切なアドバイスのしようがありません。
そこで、私たちは次のようなご提案をさせて頂きました。
「札幌工場にお送り頂ければ、点検することは可能です。でも、部品もありませんし、直せる保証はありません。それでも、それなりの費用がかかってしまいますが、ご了解頂けますでしょうか?」
お客様の立場としては、機械は直したいが、お金はかけたくないとのご意向だったため、結局、この話は立ち消えになってしまいました。
最近、このような事例が増えており、非常に複雑な気持ちを抱いております。
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