札幌工場から10km東に約2000haの広大な森林が残されています。
「野幌(のっぽろ)森林公園」という自然公園になっており、遊歩道が整備され、四季折々の自然を楽しむことができます。

園内には、高さ100mの「北海道百年記念塔」がそびえ立ち、公園のシンボルになっています。
さらに、「北海道博物館(開拓記念館)」、道内の歴史的な建造物を移築した「北海道開拓の村」があり、北海道の自然と歴史を堪能できる観光スポットになっています。

北海道開拓の村には、海軍に納入した札幌工場製の船用形削盤や戦前に札幌工場で使われていた壁掛けタイプの電話機(※)などを寄贈したことがありました。
形削盤は、村内の石造りの倉庫の中に展示されていますが、電話機については、展示されているのかどうかわかりません。

北海道百年記念塔は北海道開道100年を記念して1970年に完成したものです。
さすがに、札幌工場から塔を眺めることは出来ませんが、JRで新千歳空港に向かう車窓などからはよく見えます。

いまではすっかり札幌の風景の中に溶け込んでいる記念塔ではありますが、完成から50年以上経過し、老朽化が進んでいる上、維持費も嵩むため、解体されることになったそうです。
それに対して「北海道開拓のシンボル」だとして、保存を求める声もあるようです。
双方に言い分があり、どちらがよいとは一概にいえません。

遠くからでも、あの塔が見えると、いつも弊社が寄贈した電話機や形削盤のことを思い出します。
塔がなくなってしまうと、そういうこともなくなるかも知れません。

塔の解体が予定通り進めば、2024年5月には完全に撤去され、札幌の風景から消えることになります。

※札幌工場作業日誌「北海道で一番古い電話機」2011.11.15