毎年一回、最寄りの病院で健康診断を受けています。身長、体重、血圧、視力、聴力、
血液検査、尿検査、心電図、X線検査(胸部・胃)・・・その結果何か異常があれば、内容によって再検査、経過観察などの処置が取られます。再検査しても異常の原因がつかめない場合は、入院して精密検査を受けることもあります。それでも、結局はっきりした原因がつかめないケースもよくあると聞きます。一方、健診結果が一応良好(異常なし)だったのに、その後まもなく、病気が発覚することもあるようです。このような事態が起こる理由は、検査時に見落とされたという不幸なケースもあるでしょうし、健診時の検査項目から外れた部分での疾患であるというケースもあるでしょう。いずれにせよ、人間の体の内部の異常を健康診断で完全に把握するのは極めて困難だということは、素人でも容易に理解できます。

実は、私たちが実施する輸入機械に対する出荷前検査でも、これと似たようなことがよく起こります。機械ものだから、そんなことはあり得ないと仰る向きもあるとは思いますが、何があってもおかしくないのが海外メーカー品の「特色」です。私たちの責任を回避する気持ちは毛頭ありませんが、どんなに検査表を充実させても、どんなに熟練を積んでも、完全に問題点を洗い出すことは不可能ですし、意外なところから問題が発生します。理由は、組み込まれている部品自体の品質にばらつきがある上、不良部品が平然と使われている事例が後を絶たないためです。本欄の<見えない敵(不良部品)との闘い> 2009.07.17の項でもお話したように、部品不良による不具合については、検査項目を増やし、ひとつひとつ潰していますが、モグラ叩きのように、次から次へと新たな問題が発覚します。根本的に解決しようとすれば、輸入してきた機械を全分解し、組み込まれている部品ひとつひとつを徹底的に調べるしかありません。人体は全分解できませんが、機械ならある程度それが可能です。しかし、それではコストがかかりすぎて、とても売り物になりません。部品自体も、破壊しない限り良否を判定できないものがありますので、全分解したとしても100%問題点をクリアできるとは限りません。
最近お客様から寄せられる故障やトラブルには、不良部品を見落としたことが原因となっているものが目立ちます。それに対して、弊社も検査方法の改善を繰り返し、日々レベルアップを図っているつもりですが、まだまだ試行錯誤の連続です。


ハンドホイールの亀裂


ザグリ穴位置不良のジブ